明治は1967年、DS(ダイレクトセールス)部を設置し、高級アイスクリームを巡回冷凍車で家庭まで届ける事業を開始。新しい販売ルートを開拓したものとして注目された。
やがてこのDS部が冷凍食品も一緒に配達するようになり、当社の冷凍食品事業がスタートした。その後1974年に冷凍食品販売部を設置。1976年に茨城工場に冷凍食品の製造設備を新設し、冷凍食品の製造販売を開始した。この時、「明治にふさわしい冷凍食品を」という方針に基づき開発した第1号商品が「ピッツァ&ピッツァ」「クリーミーグラタン」「クリーミーコロッケ」であった。いずれも乳製品をたっぷり使ったメニューであり、ピッツァ・グラタン共に今に続くロングセラー商品となっている。
ピッツァについては、現在チーズは、北海道十勝の自社工場で生産した原料チーズを使用。グラタンについても、チーズはピッツァと同じく自社の十勝産ゴーダチーズを使うとともに、明治ならではの、新鮮な生乳を採用している。また、乳処理技術を生かした、きめ細かいクリーミーなホワイトソースもグラタンの大きな特長となっている。また調理方法では、早くからオーブントースターから電子レンジへの移行を踏まえ、電子レンジ対応に工夫を凝らし、ピッツァでは、冷凍する前に表面とクラストを焼いて焦げ目をつけ、さらに発熱するシートを敷くことでレンジ加熱時にも実際に焦がすという方法を開発し、製造方法において特許を取得した。
「明治 濃厚チーズリゾット」がヒット!
冷凍食品市場の利用者は40~50歳代の層が増えており、弁当用途から米飯の食事寄りのメニューが拡大する中、明治は新しい市場創造を目指し、「明治 濃厚チーズリゾット」と「明治 野菜たっぷりトマトリゾット」を2016年に発売した。女性をターゲットに裾野を広げるためイタリアンメニューからリゾットに着目し、冷凍グラタン・ドリア類で培ったソース配合技術やチーズ加工技術をベースに開発。ご飯を炊く時の配合に工夫を凝らすことで、アルデンテ食感を実現した。
パッケージにはシンプルかつ売り場で映えるデザインを採用し、おしゃれ感を創出できたことも、トライアルの獲得につながり、新規カテゴリーとして受け入れられリピート購入につながっている。また、テレビ放映やSNSでの口コミの拡散もあってヒット商品へ成長している。