写真:イベント集合写真

商品ブランド別サステナアクション明治北海道十勝

次世代に続く酪農と、人・地域・ブランドの共栄

社会

社会課題

写真:農場 写真:乳用牛飼養戸数のグラフ

1. 就農人口の確保

日本の酪農家戸数は、2010年の約2.2万戸から2025年には約1.1万戸へと半減し、直近5年間では毎年約5%の減少が続いています。担い手不足と高齢化が進む中、新規就農者の確保や後継者への円滑な継承、将来を見通せる産業構造への転換が重要な課題となっています。

2. 次世代人材の育成

酪農の大規模化・高度化により、経営・労務・データ管理など多様な能力が求められる一方、現場では経験や勘に依存した運営や日々の業務に追われ、体系的な人材育成に十分な時間を割けない状況があります。人を育て、ノウハウを共有・継承する仕組みづくりと、地域を支える次世代人材の育成が課題です。

3. 生産性向上と環境負荷低減

飼料やエネルギー価格の上昇により生産コストは増加する一方、温室効果ガス排出や家畜排せつ物対策など環境対応も求められています。ICTやロボット技術の活用により、生産性向上と環境負荷低減を両立し、経営改善につなげることが重要です。

4. 需給バランス、過剰在庫の問題

生乳は生産調整が難しく、消費動向や季節変動による需給のズレから、脱脂粉乳などの在庫過剰が生じ、価格や経営の不安定化を招くことがあります。需給を見据えた生産と消費の連動強化に加え、国産生乳の付加価値化や新たな需要創出が課題です。

写真:農場 写真:乳用牛飼養戸数のグラフ

サステナビリティ活動

明治北海道十勝 酪農と十勝地域のミライ共創プロジェクト

画像:ミライ共創プロジェクト

「明治北海道十勝 酪農と十勝地域のミライ共創プロジェクト」は、豊かな酪農文化を持ち、チーズ作りが盛んな北海道十勝地域を起点に、酪農業の革新と地域社会の未来を創造するプロジェクトで、2024年にスタートしました。酪農業を取り巻く後継者不足、飼料価格の高騰等の課題を踏まえ、地域の次世代人材である「高校生」、新技術で酪農業の課題解決を目指す「スタートアップ企業」、明治北海道十勝ブランドを展開する「明治」の3者が、共に「生産地・製造・お客さま」について学び、産学協同で発信していくことで、持続可能な地域、人材、ブランドづくりを目指しています。

画像:ミライ共創プロジェクト

高校生、スタートアップ企業、明治が集いイベントを実施

プロジェクトの一環として、2024年11月に未来の酪農家の育成、地域の人材育成を目的として、地元の高校生、スタートアップ企業、メーカーの当社が集い、生乳からチーズになるプロセスが見学できるチーズ工場の「明治なるほどファクトリー十勝」を会場に、セミナーコンテンツと原木チーズの解体や試食、工場見学、レシピコンテストなどの体験コンテンツを実施しました。2025年9月には2回目を開催し、新たにモッツアレラチーズづくり体験を行いました。

セミナーコンテンツ

写真:セミナー写真1 写真:セミナー写真2
写真:Blueprint oneTシャツ

イベントでは余剰の脱脂粉乳からつくったTシャツを着用

写真:Blueprint oneTシャツ

生乳からバターを製造する過程で同時にできる脱脂粉乳は在庫が過剰な状態が続いており、社会課題となっています。株式会社Blueprint oneは、その課題解決を目指して脱脂粉乳を繊維に混ぜたTシャツを開発し、ライフスタイルブランド「moment of MILK」を立ち上げました。明治は、このブランドを支援するとともにファーストユーザーとして、イベントのスタッフTシャツを制作し、着用しました。

moment of MILK(株式会社Blueprint one)

体験コンテンツ

工場見学や原木チーズ解体の体験

高校生が自ら体験する企画では、まず「明治なるほどファクトリー十勝」を見学し、チーズの製造について学びました。その後、同所で製造された20kgの原木チーズ(十勝パルメザン)の解体を実演し、切り方や削り方でチーズの香りの感じ方が違うことを体感しました。

写真:体験コンテンツ1

モッツアレラチーズづくりに挑戦

社内公募メンバーで新規事業を創出するプログラム「mBD」から生まれたできたてチーズが食べられる新ブランド「FRESH CHEESE STUDIO」のモッツアレラチーズつくり体験を行いました。電子レンジで加熱したチーズの原料を二人一組で手早く引き伸ばし、一口大に成形、試食を行いました。

FRESH CHEESE STUDIO(フレッシュチーズスタジオ)
写真:体験コンテンツ2

明治のチーズ商品と地元食材を活用したレシピのコンテスト

各校チームに分かれ、事前に考案した、「明治のチーズ商品と地元食材と活用したレシピ」をプレゼン。チームの個性が際立つ、さまざまなレシピが発表されました。

写真:体験コンテンツ3

お客さまとの価値共有

参加した高校生からは、「工場見学での工程を知ることができて勉強になった」「今後も勉強を続けてサステナブルな酪農に貢献したい」といった感想が寄せられました。またイベント当日の内容は、地元メディアを通じて広くお客さまに発信しました。

第1回目に参加した
更別農業高等学校 青木春海さん(当時2年生)

写真:更別農業高校 青木春海さん

私は農業高校に通っているので、酪農と触れる機会が多いのですが、今回さまざまな企業の方にお話を聞かせていただいて、酪農や十勝の食についての学びを深めることができました。特に、ファームノートの小林代表のお話で、酪農とAIを結びつけるという考え方が、今までの酪農の考え方を覆すような、これからの未来につながる素敵な考えだなと思いました。工場見学では、普段何気なく口にしているチーズやヨーグルトなどの乳製品がどのように作られているのか、流れを理解することができました。

写真:更別農業高校 青木春海さん

担当者の思い

写真:亀田敦史 株式会社 明治 経営企画本部 イノベーション事業戦略部 事業運営G

亀田 敦史

株式会社 明治 イノベーション事業戦略部 事業運営G長

※所属は2026年3月時点のもの

次世代と共に酪農の未来を創る

本プロジェクトを通じてあらためて感じたのは、酪農があり、生乳が安定的に生産されていることは、決して当たり前ではないということです。自然環境や担い手、地域社会の支えによって成り立つ酪農の価値を、今一度見つめ直すことができました。
また、社内外に本プロジェクトの共感者が多くいたことは、大きな力となりました。多様なメンバーをつなぐことで、知見や発想が掛け合わさり相乗効果が生まれ、「次世代に繋げる」のではなく、「次世代と共に創る」という姿勢が、本取り組みの可能性を広げていると感じています。

亀田 敦史

株式会社 明治 イノベーション事業戦略部 事業運営G長

※所属は2026年3月時点のもの

写真:右川祥太朗 株式会社 明治

吉岡 祥太

株式会社 明治 フローズン・食品事業部 チーズG

十勝ブランドを100年続くブランドへ

現地の次世代人材である高校生や、酪農スタートアップの皆さんと行動を共にする中で、多くの学びを得ました。十勝ブランドは、商品だけでなく、人や地域とともにつくり続けるものだと、あらためて考えるきっかけになりました。2027年に35周年と節目を迎える十勝ブランドを、これからも地域の皆さまと共に、100年続くブランドへ育てていきたいと考えています。

吉岡 祥太

株式会社 明治 フローズン・食品事業部 チーズG

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