食・薬のシナジー
食品と医薬品の強みを組み合わせ、
新たな健康価値を創造する
食と薬の"素材・知識・ノウハウ"を融合
明治グループは食と薬のシナジー創出を目指して、2019年に「価値共創センター(現:ウェルネスサイエンスラボ)」を設置しました。現在は「抗老化」「免疫増強」、さらには「マイクロバイオーム」に着目し、食品と医薬品の素材・知識・ノウハウを融合させて、明治グループならではの新たな価値の創造に取り組んでいます。また、フランスのパスツール研究所をはじめ、さまざまな外部研究機関とのオープンイノベーションを推進しています。
ウェルネスサイエンスラボでの研究開発は着実に進み、興味深い知見が続々と得られ始めています。2023年度までに事業の方向を示し、2026年度までに収益化したいと考えています。
ウェルネスサイエンスラボの代表的な技術
明治グループは、事業を通じて培ってきた「細菌との共生がヒトの健康に与える効果に関する科学エビデンスと技術(腸管マイクロバイオームや腸管免疫解析)」と「さまざまな感染症に対する予防・治療薬の研究開発に関する長年のノウハウ」を蓄積し、それらを活かした新たな製品開発を進めています。
腸管マイクロバイオーム
腸管免疫解析技術
治療薬・ワクチン開発
3つの新領域を研究
「明治グループ2026ビジョン」では、重要な戦略の1つとして「健康価値領域での新たな挑戦」を掲げています。ウェルネスサイエンスラボでは、次の3つの新領域に関する研究を通じて、健康寿命の延伸という課題に取り組んでいます。
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抗老化
画期的な研究ともいえる「身体的・精神的な健康寿命延伸」を目指し、国内外の研究者と共同研究に取り組んでいます。
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免疫増強
長年にわたって蓄積してきた研究成果を融合し、「免疫機能を健やかに保ち、高める研究」に取り組んでいます。
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マイクロバイオーム
新たな健康機能価値の創造を目指し、乳酸菌研究や医薬品培養精製研究で培った知識と経験とを活かした「腸内細菌叢研究」を推進しています。
FOCUS
医師に相談するサプリメント「meiQua EPA1000」を発売
医薬品事業では、明治グループの食品事業と医薬品事業が持つノウハウを結集した医療機関専用サプリメント「meiQua(メイキュア)」を立ち上げ、2022年4月から首都圏の精神科や内科などの医療機関にご案内を開始しました。
医療機関専用サプリメントとは、患者さんの疾病や健康状態、生活習慣を把握している医師が診療や日常の健康サポートの中でお使いいただくサプリメントです。シリーズ最初の製品である「meiQua EPA1000」は、日々の食生活で不足しがちな栄養素・成分をエビデンスに基づいて配合したオールインワンの製品です。
現在、明治グループの関連部署が共同で「事業化推進プロジェクト」を立ち上げ、「meiQua」シリーズの新たな製品の開発を進めています。
担当者の声
医療機関専用サプリメントブランドを立ち上げるにあたり、解決したいと考えたのが「サプリメントの過剰摂取や服用している医薬品との相互作用によって思わぬ健康被害が生じている」というサプリメントを取り巻く現状でした。特に、疾患治療中の患者さんの多くは医薬品を服用しており、医薬品との飲み合わせや疾患特性を考慮したサプリメントの選択はとても難しいと感じていました。この課題を解決し、健康になりたいと願う患者さん、その患者さんを支える医療従事者の力になりたいと思い、疾患特性に着目し、科学的なエビデンスにこだわった成分を配合した製品を開発しました。
医薬品事業にとって、サプリメントという食品の商品開発は初めての試みでした。「摂取しやすい製剤をどのように作るのか」「医師や患者さんに本品の特性・こだわりをどう伝えるか」「栄養に関する質問にどう回答するか」など、一つ一つの課題について、食品事業を持つ明治グループ各社のノウハウを結集して解決していきました。
医師の皆さまからは「しっかりしたエビデンスがあるから良い」「明治らしい面白い取り組みだ」「明治さんなら安心」など好評をいただいています。これからもグループ内での交流を継続・拡大して、患者さん、医療従事者のお役に立てるよう、グループシナジーを発揮していきたいと思います。