CSOメッセージ

写真:取締役 専務執行役員CSO 古田 純

自然資本や人的資本を充実させて社会課題の解決に貢献し、meijiらしいサステナビリティを追求します

明治ホールディングス株式会社 取締役専務執行役員 CSO 古田 純

マテリアリティへの取り組みは順調に進捗

明治グループは現在、食品と医薬品の事業を通じて社会課題の解決に貢献し、経済価値と社会価値を同時に高めていくことをコンセプトとする「2023中期経営計画(以下、2023中計)」を進めています。本中計で定めた8つのマテリアリティは、これまでは順調に進捗していると言えますが、サステナビリティに関わる世界の動きはますます加速しており、社会からの要請もより高度化しているので、こうした点にも対応していかねばなりません。

2050年カーボンニュートラルに向けた目標とロードマップを策定

脱炭素社会の実現は、マテリアリティの中でも国際社会から求められる最も重要かつ喫緊のテーマです。そのゴールに向かってさらなるスピード感をもって臨んでいくため、2022年9月に「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けたロードマップと具体的なアクションプラン※1を策定しました。その中でCO2排出量については、2030年度までに2019年度比で50%以上削減する目標を掲げています。
カーボンニュートラル促進施策の一つとして、2021年度からICP(インターナルカーボンプライシング)を導入し、また、環境関連投資を促進するため、本中計3カ年で300億円の特別投資枠も設定しました。
主要原材料の一つである生乳に関しては、酪農の現場では牛が放出するメタンの温室効果が課題となっています。明治が提供する牛乳のライフサイクルにおいて排出する温室効果ガスを把握し、それを削減していくために、2022年度からカーボンフットプリントの算出にチャレンジしています。
こうした取り組みを含め、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応については、これまでの2度・4度シナリオに加え、1.5度シナリオでも気候変動に伴うリスクと機会を分析し、開示しました。

生物多様性に関わる取り組みを強化

自然資本については、「生物多様性」を特に重視しています。深刻な森林破壊によって絶滅危惧種が増え、気候変動や水不足といった問題も生物多様性に影響しており、このままでは明治グループの持続可能性までもが危ぶまれる懸念があります。そこで、2022年4月、「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画したほか、2022年5月にはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)フォーラムにも参画。こうした外部イニシアチブとの連携を強化することで、TCFD同様、TNFDにもいち早く対応し、情報を開示していく方針です。
また、水資源への対応も生物多様性の確保には欠かせないテーマです。そこで現在、製品原料として使用する水を100%涵養するというウォーターニュートラルの実現を目指しています。

国内外で人権やダイバーシティに取り組む施策を展開

人財は、明治グループの価値創造を支える、きわめて重要な資本です。従業員の多様な価値観・知見・能力を活かし合えるようにダイバーシティを推進し、国内外における人権尊重やガバナンス体制の強化にも力を入れています。
2021年度は、国内の自社拠点およびその協力会社で働く外国人労働者に関する調査を実施するなど、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを強化するとともに、海外子会社の従業員を対象に人権研修を実施しました。また、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を推進する専任組織を設け、女性活躍の推進策などを展開しています。

従業員一人一人の「自分ゴト化」を推進し、明治らしいサステナビリティを

明治ROESG®※2を達成するためには、明治グループ全体でESGに対する意識を高め、従業員一人一人がサステナビリティを「自分ゴト化」することが大切です。そのため、オンライン上の学びの場「meijiサステナカレッジ」や、従業員のアイデアをみんなに共有し讃えあう「meijiブランドアワード」を始めました。今後も従業員がサステナビリティを自らの業務や行動に組み込んでいけるような活動を強化していきます。
明治グループは食と医薬の二つの事業をもつ企業として、特に「こころとからだの健康」の領域における社会課題の解決に明治らしさが発揮できるのではないかと考えています。事業を通じた社会課題の解決に向けて、従業員と一体となって考え、挑戦していくことにより、明治ROESG®を達成するとともに、明治らしいサステナビリティを追求していきます。

2023年1月