CSOメッセージ

写真:常務執行役員 CSO 松岡 伸次

サステナビリティを競争力に変える企業へ

明治ホールディングス株式会社 常務執行役員 CSO 松岡 伸次

2024年度に始動した2026中期経営計画(以下、26中計)は、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」の実現に向けた最終ステージとして、サステナビリティをより深化させる取り組みを推進しています。明治グループでは、「食と健康」における独自の価値を高めることで、人・社会・地球のすべてが健康である「より良い未来」の実現に貢献し、グローバルのトップ集団入りを目指していきます。

明治ROESG®※1の進化

明治グループでは、最上位の経営目標として、ROE(経済価値)とESG(社会価値)の両立を図る独自の経営指標「明治ROESG®」を掲げています。導入から5年を経て、マネジメント層に着実に浸透し、SX銘柄※2への2年連続の選定や、MSCI ESG Ratings、S&P Global CSA、ISS ESGなどの外部評価機関からの高い評価にもつながっています。
26中計では、新たに特定した12のマテリアリティごとに主な取り組みと目標(KPI)を設定し、グループ全体で進捗を管理しています。また、国内外の各拠点が共通の価値観と戦略の下で行動できるよう、グローバルでの連携基盤の構築にも着手しています。

サステナビリティと事業の融合

サステナビリティと事業の融合は、明治グループの競争力の源泉にしなければなりません。そのために、「meijiサステナブルプロダクツ社内認定制度」では、バリューチェーン全体におけるサステナビリティの取り組みを商品に組み込み、この制度を通じて、社員一人一人がサステナビリティを「自分ゴト」として捉える意識変革を促しています。
さらに、明治ROESG®対象ブランドでは、サステナビリティの観点から中長期的な戦略マップを策定し、サステナビリティと事業の融合を加速させていきます。こうした取り組みは、ポジティブインパクトを増幅し、企業の持続的成長につながる「攻めのサステナビリティ」であり、事業の強みとなるサステナビリティ施策を積極的に展開していきます。

ネイチャーポジティブの実現に向けて

明治グループの事業は自然の恵みに支えられています。そのため、自然資本の持続可能性を確保することは、当社グループにとって極めて重要な経営課題です。カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、生態系の保全・再生という3つの柱を三位一体で推進することで、生物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」の実現を目指しています。
そうした未来を見据え、自然に対するポジティブインパクトをできるだけ多く生み出すことが重要であり、生態系の保全・再生の取り組みをさらに強化していきます。

「サステナビリティが当たり前」の企業文化の醸成

サステナビリティの実践には、社員一人一人がサステナビリティを「自分ゴト」として捉え、行動に移すことができる文化の醸成が不可欠です。社会課題の解決と事業成長の両立を図るため、行動変容を促す仕組みと、それを支える組織の整備を進めています。
現場や社員の声を反映しながら、「サステナビリティが当たり前」の価値観を企業文化として根付かせることが、未来の明治グループを形作る力になると確信しています。

サステナビリティを競争力に変える——それが、meijiの次の挑戦です。

2025年6月

  • ※1「ROESG」は一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。
  • ※2東京証券取引所が、サステナビリティに優れた上場企業を選定する銘柄制度