安全・安心
- 貢献するSDGs
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安全・安心に関する目標
※【】内はKPIの対象範囲
サステナビリティ活動KPI(2020年度まで) | 実績 | ||
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2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
HACCPを含む第三者認証であるGFSI承認規格の取得を国内は2020年度、グローバルは2021年度までに食品工場で100%取得※1【明治連結】 | 国内50% | 国内87% | 国内100%
海外100% |
- ※ 1 2020年度にグローバルに拡大
GFSI:Global Food Safety Initiative (世界食品安全イニシアチブ)
製品における安全・安心の確保
信頼される品質・ブランド強化に向けた取り組み(食品事業)
品質方針
(株)明治では、明治グループ理念体系に基づき、独自の品質マネジメントシステム「明治 品質コミュニケーション(愛称:Meiji Quality Comm)」を構築し、品質への取り組みを日々強化しています。
Meiji Quality Commでは、品質マネジメントの原則、指針を「品質方針」として宣言します。
- 明治の品質方針
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私たちは、「おいしさ·楽しさ·健康·安心」の世界を拡げるため、お客様にお届けすべき品質を「約束する品質」として共有します。そして従業員一人ひとりが「食と健康」のプロフェッショナルとして以下における役割を果たし、お客様の期待にお応えします。
- 「約束する品質」を実現するために、開発·設計、調達、生産、物流、販売・コミュニケーションのすべての組織で最適なシステムを運用します。
- お客様に誠実に向き合い、お客様の信頼と満足を獲得していきます。
- 法令を遵守し、高品質で安全な商品とサービスを提供します。
品質マネジメントシステム
「品質方針」に基づいて、開発・設計、調達、生産、物流、販売・コミュニケーションに至る機能部門が、それぞれの仕事において品質を守る上での重点事項を「品質保証規程」として明らかにしています。さらに具体的に実行すべき仕事の内容や、判断のための基準を「品質保証基準」として定め、開発・設計から販売・コミュニケーションまですべての機能において、マネジメントサイクルを回し改善を継続し、お客様の信頼と満足を得られるよう努めています。また、これらの活動について、トップマネジメントレビューを行い、品質活動を評価しています。
Meiji Quality Commは、お客様の満足を追求する(株)明治共通の姿勢です。

品質マネジメント体制
COO(食品セグメント)を議長にして、年2回開催する「明治 品質コミュニケーション会議」を軸に活動を推進しています。この会議では、品質に関する取り組みの進捗確認と課題解決に向けた対策を議論します。また、品質本部長を統括とした「明治 品質コミュニケーション企画連絡会」が設置されており、「明治 品質コミュニケーション強化活動」の企画と推進を行っています。
この他、関連した会議体としては、研究本部長を委員長とした(株)明治独自の「食品安全委員会」があります。この委員会では、食品の化学物質、微生物などに関する社外専門家2人を交えて、食品の潜在リスクの抽出とリスク低減を目的に、広範囲にわたるテーマを年2回程度、議論しています。

バリューチェーンを通じた取り組み
工程から知るMeiji Quality Comm
1.開発・設計機能
品質マネジメントシステム「Meiji Quality Comm」は、商品の開発段階から始まっています。お客様にとっていかに価値のある商品を生み出すことができるか。そのために市場や消費者の調査を丹念に重ね、一方でこれまでのノウハウを生かした研究開発を続けています。商品のコンセプト作りは、その後の製造や流通などすべての機能を左右する重要なポイントです。
2.調達機能
原料を採用する際にキーになるのが安全性と継続性です。安全性はもちろんのこと、良い原料であっても安定的に入手できなくては、商品の製造を継続することができません。ゆえに、規格に合致した原料をいかに継続的に確保できるかが鍵となります。そのためにはサプライヤー(供給者)との信頼関係やコミュニケーションが非常に重要になります。
3.生産機能
工場の生産工程では、安全性を確保し品質を作りこむための仕組みを構築しています。設計した品質通りの商品を生産するために商品ごとに原料の配合や工程条件、確認ポイントなどを細かく定めています。さらに、原料の受け入れから調合、充填など各工程でさまざまな検査や工程監視が行われ、設計通りの工程条件で生産されたことを検証する管理体制をとっています。
4.物流機能
出来上がった製品を工場から販売店や問屋、量販店の物流センターに届けるのが物流の仕事です。品質管理を実践していく上でのキーワードは、「製品」「数量」「鮮度」「時刻」「態度」の5つです。これらはお客様にご満足いただき、そしておいしく召し上がっていただくための注意点として設けた約束事で、一人一人が“5つの約束”をきちんと自覚することが品質保証につながっています。
5.販売・コミュニケーション機能
この機能の大きな役割は、生活者の目線に立ち、商品の価値をお客様に的確に伝え、その価値を共有していくことです。開発設計→調達→生産→物流の各機能で作り上げた高いクオリティーをいかにして伝え、期待を持って購入していただけるか、それが最終的にバトンを渡される当機能のミッションです。
食品安全への取り組み(食品事業)
食品安全への取り組みとしてすべての工場でHACCPを導入しています。さらに、グローバルな食品安全マネジメントシステムであるGFSI承認規格を2020年度にグローバルで100%取得しました。
スポーツ栄養食品のアンチドーピング認証取得
明治グループが提供するスポーツ栄養食品は、国際的アンチドーピング認証の「インフォームドチョイス認証」を取得しています(一部商品を除く)。このプログラムに基づき、高度な分析技術と製造工程の監査によって、使用が禁止されている物質が製品に混入していないかを検査しています。今後も、目標に挑み続けるアスリートやスポーツを楽しむ方々が安心して使用できる商品を提供していきます。


安全・安心に関わる情報開示の拡充(食品事業)
高品質で安全な製品・サービスに関連する情報の適切な開示を通じて、お客さまの信頼と満足の獲得に努めています。
お客様サポートでの情報開示
(株)明治ではホームページ“お客様サポート:Q&A よくあるご質問”で情報開示しています。
情報は、その時々で話題となるテーマを中心に、適宜更新しています。
製品の品質保証に関する情報開示
各社のホームページにて情報開示を行っています。
品質に関する従業員教育(食品事業)
品質レベルのさらなる向上を目指し、製造に携わる従業員や、営業担当者向けの品質に関する教育を実施しています。今後も継続して勉強会を実施し、商品の品質や安全・安心に関する情報をお客さまにしっかりと伝えられるよう努めていきます。
2020年度の教育実績
- 営業担当者向けの品質研修 年2回実施 各回の参加者数 約1,500人
- 工場の従業員向け品質管理基礎講座 年間12回実施 各回の参加者数 約6,000人
- 工場の課長を対象とした品質保証会議 年1回実施 参加者数 68人
信頼性保証体制に基づく品質マネジメントの強化(医薬品事業)
Meiji Seika ファルマ(株)の信頼性保証体制
信頼性保証ポリシー
Meiji Seika ファルマ(株)は以下の信頼性保証ポリシーを制定しています。ポリシーの意味や役割を十分に認識し事業活動を展開しています。
- Meiji Seika ファルマの信頼性保証ポリシー
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私たちは、患者さんや医療関係者の皆様からの信頼を頂き、
社会に貢献してまいります私たちは、医薬品・医療機器などの各領域において、有用で高品質な製品の研究開発と確実な生産を行い、患者さんや医療関係者の皆様に製品を安定的にご提供し、また、それらの製品に係る必要な情報を適切で迅速にご提供することにより、社会に貢献することを目的として事業活動を行っております。
この目的達成のために私たちは、各種の法令や規範、及び、コンプライアンスを遵守することを徹底し、生命関連産業に携わるものとして、倫理観と道徳心をもって行動します。
そして、ご提供する製品や情報を患者さんや医療関係者の皆様に安心して使っていただけますように、従業員全員が誠実に、そして謙虚に、日々努力を積み重ねてまいります。
この様な私たちの考え方をビジネスパートナー様にもご理解をいただき、共に力を合わせてまいります。
これを私たちがご提供する製品と情報の信頼性を保証する事業活動のポリシーとして行動することで、患者さんや医療関係者の皆様からの「信頼」を頂き、社会に貢献するよう努めます。
信頼性保証指針
「製品」に対する取り組み
Meiji Seika ファルマ(株)では、医薬品・医療機器(以下、医薬品等)の製品本体だけでなく、開発・臨床試験等で得られたデータや市販後の適正使用に関する情報を含めて「製品」と定め、「製品」の信頼性を向上させるための取り組みを行っています。その取り組みのよりどころが「Meiji Seika ファルマ信頼性保証指針」です。
「Meiji Seika ファルマ信頼性保証指針」
「患者さん、医療関係者の皆さまから信頼を頂いて社会に貢献していく」ことを医薬品等の信頼性を保証するための基本方針(「信頼性保証ポリシー」)とし、この「信頼性保証ポリシー」に基づき、「Meiji Seika ファルマ信頼性保証指針(以下、本指針)」を定め、「製品」の信頼性確保に取り組んでいます。
また、医薬品等は開発から製造、出荷、副作用等の情報の収集や適正使用に関する情報の提供に至るまで、規制当局により厳しい基準が定められています。これらの基準に基づき、社内の基準・手順書を定め、試験の適切な実施および正確な試験データの取得を徹底し、データや情報の信頼性向上に努めています。なお本指針は、グループ会社※にも適用しています。

- ※(国内)大蔵製薬株式会社 / Me ファルマ株式会社
(海外) 明治医薬(山東)有限公司 / 汕頭経済特区明治医薬有限公司 / PT.メイジ・インドネシア・ファーマシューティカル・インダストリーズ / タイ・メイジ・ファーマシューティカル / メドライクリミテッド / メイジ・ファルマ・スペイン
PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクル
本指針に基づき、全グループ会社を対象に法令や各種基準類の遵守状況を、信頼性保証部門が調査・指導することで、「製品」の信頼性保証を推進しています。この信頼性保証部門は開発部門、生産部門および営業部門とは独立した組織で、客観的な判断により信頼性を保証していく体制が整備されています。「品質マネジメントレビュー実施規程」では「製品」の信頼性を向上させるために、各部門が品質の方針や達成目標を定め、その達成状況について経営陣が主体となって定期的レビューを行い、PDCAサイクルによって継続的に品質改善を行っていくことを定めています。

品質保証体制
Meiji Seika ファルマ(株)では、国内および欧米のGMP(製造管理および品質管理に関する基準)に準拠するだけでなく、「Meiji Seika ファルマ信頼性保証指針」の下、Meijiブランドを掲げて販売する製品の品質に関わる方針(「品質保証ポリシー」)を定めており、医薬品以外の製品についても本方針を適用しています。本方針をMeiji Seika ファルマ(株)のグループ内に共有することで、生産活動(製造管理・品質管理)の各段階において製品の品質に関わる潜在リスクを低減し、継続的な品質改善の実践により、グローバル水準の品質システムを実践していきます。
また、原材料の調達から生産、流通等の業務に関わるサプライチェーン全体にわたり、「品質保証ポリシー」に基づいた一貫した品質保証活動を進めています。例えば製品の品質を守るため、自社工場のみならず国内外の製造委託先や原材料の供給メーカーの監査を行い、リスク低減のための指導を定期的に実施しています。
なお、医薬品の市場への出荷にあたっては、品質保証責任者が法律に基づき、製造に関する記録を全て確認した上で、市場への出荷を決定し、患者さん、医療関係者の皆さまが安心して使用できる医薬品をお届けしています。
安全管理体制
Meiji Seika ファルマ(株)は、皆さまにお届けする医薬品・医療機器に関連する安全管理情報(副作用情報等)を国内外から収集し、それらを客観的に評価・検討を行い、製品の適正使用に必要な情報を速やかに提供することで、安全性に関するリスクの最小化に努めています。
また、製造販売後使用成績調査の情報を医療関係者へ提供することで、製品の安全性と信頼性の向上に努めています。
信頼性保証に関する従業員教育(医薬品事業)
Meiji Seika ファルマ(株)では全従業員を対象としたGVPコンプライアンス教育や、GVPおよびGQP関係者に対する継続的な教育訓練を実施しています。
2020年度の教育実績
- 全従業員向けGVPコンプライアンス教育(e-learning)を実施 参加者約2,200人
- GVP研修 GVP関係者 対象者受講率100%
- GQP研修 GQP関係者 対象者受講率100%
KMバイオロジクス(株)では毎年、全従業員を対象としたGMPコンプライアンス講演会や、医薬品の「品質マネジメントシステム」に関する教育を実施しています。品質マネジメントシステムの教育においては、従業員一人一人の業務における「気づき」が品質向上につながることを理解してもらうことを目的としています。
2020年度の教育実績
- 全従業員対象のGMPコンプライアンスに関する教育 年1回実施 参加者数約2,000人
- 全従業員対象の安全・品質に関する教育(e-learning) 年1回実施 参加者数約2,000人
研究開発における倫理的配慮
明治グループは食と健康のリーディングカンパニーとして、常に新たな健康価値を皆様に提供すべく、研究活動に取り組んでいます。そして、明治グループの研究活動は、製品の品質、有効性、安全性の確保のため、法律および各省の基本方針、社内の諸規定を遵守して行われています。
ヒト由来試料の利用研究における倫理的配慮
ヒト由来試料(組織、細胞、血液、遺伝子など)や情報を利用する研究については、科学的な側面や倫理的な課題について、客観的に十分に検討した上で実施しています。また、最近ではES細胞やiPS細胞をはじめとしたヒト由来試料を用いた基礎研究、再生医療研究も急速に広がっています。明治グループでは、生命倫理や安全に十分に配慮した上で、これらヒト由来試料や情報の利用研究について、国の指針やガイダンス等※を遵守して実施しています。
- ※「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」など
動物実験における倫理的配慮
動物実験の実施に際しては、動物の愛護・福祉の観点から、動物実験に関する3Rの原則※に基づいて計画を立案し、動物実験委員会の審査および機関の長による承認を必須としております。明治グループの動物実験実施体制については 、外部の機関による評価・認証を受けております。
なお、食品の商品開発においては、外部委託を含めてヘルスクレームを実証するための動物実験を行わない方針です。ただし、法的に求められ、代替試験法がない場合は、やむを得ず動物実験を行うことがあります。
- ※動物実験に関する3Rの原則
Reduction(使用する動物数の削減)、Replacement(動物を使用しない実験への置き換え)、Refinement(動物の苦痛軽減)

バイオハザードマテリアル・遺伝子組換え生物の取り扱い
病原微生物などのバイオハザードマテリアルを安全に取り扱うため、「WHO実験室バイオセーフティ指針」等を基にした社内規程を定めています。また、バイオリスクに関する社内委員会では、バイオハザードマテリアルが適正に取り扱われるよう運用ルールを定めるとともに、その取扱い状況を管理しています。特に、感染症法
※や家畜伝染病予防法などの法令で規定されている病原体等については、社内に専門委員会を設置して、各法令に則った病原体等の取扱いを適切に管理するとともに、法令に従って必要な手続き(許可・届出)を行っています。
遺伝子組換え生物等についても、カルタヘナ法
※に準拠して適切に取扱うため、社内規程を定めるとともに、遺伝子組換え生物等の取扱いに関する社内委員会を設置しています。この社内委員会では、遺伝子組換え生物等を用いた実験がカルタヘナ法で規定された基準に合致しているか事前に確認しています。
- ※ 感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
- ※ カルタヘナ法:遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
人を対象とした医学系研究における倫理的配慮
明治グループは、常に新たな健康価値を皆様に提供すべく、製品の研究開発においては、人を対象とした医学系研究(治験や臨床研究)により、その安全性や有効性を確認しています。治験や臨床研究を行うには、ヘルシンキ宣言
※に則り、生命の尊厳および人権を尊重し、各国・地域の関連法規等
※を遵守し、倫理的な医学系研究を実施することが社会から求められています。
明治グループでは、人を対象とした医学系研究を行う際には、研究に参加される方の人権保護と安全性確保に最大限配慮するとともに、研究の透明性、および科学的妥当性・独立性・信頼性の確保に努めています。これらの倫理面および安全面での審査は、社内に設置した倫理審査委員会や治験実施医療機関等の治験審査委員会等にて行っています。
- ※ ヘルシンキ宣言:人を対象とする医学研究の倫理的原則
- ※ 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」など
臨床試験情報
臨床試験の情報については、実施国の規制に従い、下記のサイト等に公開しています。
サプライヤー監査の実施
食品事業においては、関連法規や当社規格に適合した原料・包材を安定供給できるかという基準に基づき、生産工場の食品安全・品質管理体制を中心に人権などを含むコンプライアンス遵守状況も合わせて、確認しています。
医薬品事業においては、GQPおよびGMPに基づき品質システムの有効性確認、製造管理・品質管理の状況、設備・機器管理の状況、従業員教育の実施状況などについて確認を行っています。
サプライヤー監査件数
(単位:件)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
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(株)明治 | 105 | 98 | 98 | 80 | 41 |
Meiji Seika ファルマ(株) | 438 | 386 | 314 | 372 | 368 |
KMバイオロジクス(株) | 26 | 25 | 45 | 41 | 25 |
合計 | 569 | 509 | 457 | 493 | 434 |