CFOメッセージ

ROEの改善と資本市場とのエンゲージメント強化に取り組み、時価総額を向上させていきます

明治ホールディングス株式会社 取締役常務執行役員 CFO
菱沼 純

2024年6月、CFOに就任いたしました。私の使命は、持続的な企業価値向上のために財務と非財務領域の両面から「明治ROESG®経営」を進化させることだと捉えています。食品事業会社での経営企画や予算管理、マーケティングなどの経験を活かし、ROE改善と資本市場とのエンゲージメント強化に取り組み、企業価値を端的に示す時価総額を向上させていきます。ROEは売上高利益率、総資産回転率、財務レバレッジに分解できます。財務レバレッジは資金需要などにより変動することから、売上高利益率と総資産回転率を改善することを優先課題とし、ROICを向上させることでROE目標の達成を目指します。

今年度から始まる「2026中期経営計画(以下、2026中計)」のコンセプトは「明治ROESG経営の進化」で、市場・事業・行動を変えることにより成長軌道への回帰を目指します。CFOとして強く意識しているのは、持続的な成長に向けて事業ポートフォリオを変革することです。これまで成長をけん引してきたヨーグルトなどのコア事業は、キャッシュカウ事業として位置づけ、安定成長を目指します。国内のコア事業で稼いだ資金は、食品の海外事業やBtoB事業、医薬品の研究開発など将来の成長に向けて積極的に充当していきます。また、ROICを活用した経営管理体制も進化させます。組織体制やモニタリング手法の変更による管理体制の強化に加え、ハードルレートを事業別に設定し、資本生産性や投資効率の向上に取り組みます。事業別のROICの改善と同様に全社レベルでの資産効率の改善も必須であり、政策保有株式の縮減はもちろん、不採算事業からの撤退や譲渡なども進めていきます。

「2026中計」ではサステナビリティと事業の融合(トレード・オン)に取り組みます。それは財務と非財務の融合であり、非財務領域と企業価値との連結にほかなりません。この実現に向けた取り組みを後押しするとともに、株主・投資家の皆さまと対話を積極的に行い、経営に活かして改善につなげることで、信頼関係の構築に努めてまいります。

2024年6月

「ROESG」は一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。

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