健康・栄養

健康・栄養に関する目標 健康な食生活への貢献 超高齢社会への対応 開発途上国における栄養改善 医薬品の安定供給 新興・再興感染症対策

貢献するSDGs

2 飢餓をゼロに 3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに

明治グループサステナビリティ2026ビジョン
活動ドメイン

健康・栄養

健康・栄養に関する目標

  • 【】内はKPIの対象範囲
  • 明治:(株)明治
    MSP:Meiji Seika ファルマ(株)
    KMB:KMバイオロジクス(株)
サステナビリティ活動KPI
(2021年度から)
基準年 実績 達成目標
2021年度 2023年度
健康志向商品、付加価値型栄養商品、超高齢社会に貢献する商品の売上伸長【明治国内連結】 2020年度 -3.1% 10%以上増加
2021年度から2023年度までの3カ年で食育を延べ70万人に実施【明治単体】 18.8万人 延べ70万人
Key Drug5剤の数量シェア拡大【MSP国内連結】 32.4% 50%以上
新型コロナウイルス・ワクチンの上市を目指す【MSP、KMB単体】 22年度中の上市を目指して対応中 上市

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健康な食生活への貢献

健康志向商品の創出

多様化するお客さまの健康ニーズを捉え、食品・薬品で培った強みと、栄養・医薬分野の先進的知見を最大限に発揮し、新たな健康価値を提供します。2021年度は27品を上市しました。

主に乳酸菌やカカオ等素材の持つ健康機能を生かした商品、健康素材を添加することで機能強化を図った商品、お客さまの低糖質、低脂肪、低カロリー等時代にあった健康ニーズに対応した商品等、からだの健康への貢献を目指した商品。

2021年度の主な発売品
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明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン 乳素材だけ/無添加
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オリゴスマート ナッティ―クランチ
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即攻元気ゼリーアミノ酸 ローヤルゼリー高麗人参プラス

乳酸菌、カカオの健康成分を活かした商品開発

乳酸菌の可能性に着目し、新たなプロバイオティクスの開発や健康成分カカオポリフェノールに着目した高カカオチョコレート商品の拡充を目指します。

写真:
明治ブルガリアヨーグルト
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明治プロビオヨーグルトLG21
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明治プロビオヨーグルトR-1
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明治プロビオヨーグルト PA-3
写真:
チョコレート効果カカオ72%
中国での乳酸菌を通した健康な食生活への貢献

明治グループは、「明治プロビオヨーグルトR-1」「明治プロビオヨーグルトLG21」を2021年4月から海外で初となる中国で販売を開始しました。
中国の牛乳・ヨーグルト事業は、日本で培った技術や知見を活かして2013年から生産・販売を行っています。現在では、安全・安心・高品質のイメージが浸透し、上海を中心とする華東エリアの幅広いお客さまに支持されています。
中国では、2016年に発表された「健康中国2030計画」のもと、国民の健康増進が図られています。その健康意識の高まりを受けてヨーグルト市場も拡大しています。さらに、自らが持つ健康課題に対しての手軽で継続できる解決策として、乳酸菌への注目も高まってきています。

低糖質、低脂肪、低カロリー等の商品

お客さまの低糖質、低脂肪、低カロリーなど時代にあった健康ニーズに対応した商品の開発・提供を進めます。

写真:
明治ブルガリアヨーグルト
(脂肪ゼロ)
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明治プロビオヨーグルトLG21
(低脂肪)
写真:
明治プロビオヨーグルトR-1
(低糖・低カロリー)
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明治おいしい低脂肪乳
(低脂肪)
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オフスタイル
(マーガリン)
(低脂肪)

商品を通じた過栄養状態を抑制するための取り組み実績(ESGデータ集へ)

ポーションコントロールに対応した商品

明治グループでは、お客さまが一度に食べきる量を自身に適したものに調整しやすくするために、各種商品にてポーションサイズのバリエーション(同一内容物で複数の内容量のもの)を展開しています。小容量サイズの品揃えにより商品選択の幅を拡げることで、過剰摂取を抑制し、お客さまの健康な毎日の実現に貢献していきます。

商品を通じたポーションコントロールの取り組み実績(ESGデータ集へ)

付加価値型栄養商品の創出

必要な栄養分の摂取、栄養バランスの改善等、食を通じた栄養改善が注目を浴びる中、明治グループでは、独自の栄養研究と栄養設計技術を活かし、お客さまが必要とする栄養分をバランス良く摂取できる商品を提供しています。商品そのものの進化は当然のこと、容量、形状、パッケージなども含め、トータル的な商品開発に引き続き努めていきます。2021年度は35品上市しました。

乳幼児、スポーツ競技者・愛好家、高齢者等を栄養的側面からサポートする商品で、明治グループ独自の栄養研究と栄養設計技術を活かし、必要な栄養分をバランス良く摂取できる付加価値の高い商品。

写真:
明治ミラフル 粉末タイプ ストロベリー風味/ドリンクタイプ ヨーグルト味
写真:
(ザバス)MILK PROTEIN 脂肪0 フルーツミックス風味
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TANPACTヨーグルトテイストゼリーマスカット風味

たんぱく質摂取量低下に対応する「明治TANPACT(タンパクト)」を発売

(株)明治は65年以上にもわたってたんぱく質を加工した商品の開発に取り組み、粉ミルクやヨーグルト、スポーツサプリメントなどを通してたんぱく質の価値を広げてきた歴史と実績があります。その知見をもとに、必須アミノ酸のバランスが良い乳たんぱく質を日常生活の中で摂取できる商品群として、新たに開発したのが「明治TANPACT(タンパクト)」です。食の楽しみを提案し、かつ一日のさまざまなシーンで手軽にこまめに乳たんぱく質を摂取できるよう多品目を展開し、低栄養課題の解決に貢献していきます。

写真:明治タンパクト

スポーツ栄養商品・乳幼児栄養商品・メディカル栄養商品

明治グループの栄養研究と栄養設計技術を活かし、必要な栄養分をバランス良く摂取できる付加価値の高い商品の提供を通じて、乳幼児、スポーツ競技者・愛好家、高齢者の皆さまを栄養的側面からサポートします。

写真:
ザバス ホエイプロテイン100
ココア味
写真:
ヴァームアスリート
(スポーツ栄養)
写真:
明治ほほえみ
らくらく
キューブ
(粉ミルク)
写真:
明治ほほえみ
らくらく
ミルク
(液体ミルク)
写真:
明治メイバランスMiniカップ
(栄養食品)

商品を通じた低栄養状態を抑制するための取り組み実績(ESGデータ集へ)

高付加価値の乳幼児用ミルクを通して健全な発育に貢献

1923年日本で初めてビタミンB1を添加した乳児用ミルクを発売して以来、明治グループは乳幼児の健全な発育に貢献する乳幼児栄養事業を進めています。現在は乳児を対象とした母乳代替ミルク「ほほえみ」、幼児期に必要な栄養を補助する「ステップ」を中心に、乳幼児の健康をサポートしています。また、誰でも簡単にミルクを作れる「キューブタイプ」の粉ミルクを世界で初めて開発し、深夜の授乳や家族みんなでの育児に貢献しています。2019年3月には、常温でそのまま飲めて長期保存が可能な「液体タイプ」も発売。2021年4月には賞味期限を18カ月に延長しました。本商品は、「日常」と災害などの「非常時」の両方に役立つ商品として、2020年8月に乳児向け商品で初めてのフェーズフリー認証を取得しています。日常では外出時や夜間の授乳時に、また、頑丈なスチール缶と専用アタッチメントにより、非常時の乳児への衛生的な授乳をサポートします。

「日常時」と「非常時」のフェーズ(社会の状態)にかかわらず、適切な生活の質を確保しようとする概念のこと。

健康な食生活・食文化の普及・啓発

お客さまの健康な食生活を支える企業として、商品の提供や食生活や食文化についての情報発信を行い、普及・啓発に努めています。

食育活動の拡充

食育活動実績

(単位:万人)

  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
日本 17.3 19.6 21.2 9.7 18.8
海外 0.18 0.38 0.07 0.02 0.03
食育活動の推進とオンライン食育について

(株)明治の食育活動は、2005年の食育基本法制定を契機に2006年から開始しました。乳・カカオ豆などを題材として、生産者の苦労や製造工程、栄養価などへの理解を促す取り組みです。食に対する魅力や感謝の気持ちを醸成し、食への理解を通して「お客さまのこころとからだの健康に貢献する」ことを目指して活動しています。
本社と全国7拠点に食育活動専門組織を設置し、約60人の食育担当者が食育活動を行っています。中でも、小中学校の出前授業は2006年から開始し、2020年度に延べ1万校、100万人を突破しました。
また、近年では各世代に合わせたプログラムを用意して、「高校・大学」「企業」「シニア向け」など幅広い世代に向けたセミナーを開催しています。特に、最近注目されている「健康経営」をテーマに企業様従業員を対象としたプログラムは好評を得ています。
また、2020年度からはコロナ禍のなか、オンラインによる食育セミナーを開始しました。オンラインでのセミナー開催は、感染症拡大防止とともにいままでセミナーに参加いただけなかった離島など、エリアの拡大にもつながりました。今後、さらに内容を充実させ、子どもから大人まで幅広い世代の方々に向けて、活動を広げていきたいと考えています。

札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡

写真:
小学校への出前授業とオンラインセミナー
小中学校出前授業実績
  • 2021年度:1,253校 受講生徒数122,917人
  • 2006~2020年度累計:約1万校 受講生徒数100万人

いずれも延べ数

食育プログラムの監修
  • 料理のレシピについて:江上料理学院(Egami cooking school) 江上 栄子院長
    「おすすめレシピ」:管理栄養士 満留 邦子 先生、女子栄養大学作成
    「世界の食と文化~いろいろな国の料理をつくってみよう~」:管理栄養士 伊藤 晶子先生
  • 乳製品の栄養素について:東北大学大学院農学研究科 名誉教授 齋藤 忠夫先生
  • 運動生理学について:信州大学大学院医学系研究科 特任教授 能勢 博先生
海外の食育活動

海外の明治乳業(蘇州)有限公司では、子どもたちを中心に食育活動を実施しています。乳牛や牛乳・ヨーグルトに関する知識、栄養に関する情報提供だけでなく、ヨーグルトを使ったアレンジ体験など楽しく学べるプログラムを行っています。

写真:明治乳業(蘇州)有限公司での食育活動

スポーツを通した栄養サポート

「成長期のカラダづくりや、個々の持つあらゆる可能性を引き出すために全国でスポーツ栄養講習会を行っています。望ましい食事の理解や正しいサプリメントの活用方法などを若い時期から身に着けることによって未来のスポーツ選手育成につなげています。
スポーツ栄養の情報発信を幅広く行い、若い豊かな才能を伸ばし、多方面で活躍できる、可能性あふれる世代と、その指導者の方々を、今後も「スポーツ栄養」の分野から応援していきます。

写真:スポーツ栄養講習会

(単位:万人)

  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
スポーツ栄養セミナー参加人数 9.9 7.2 6.4 2.6 3.6

乳・乳酸菌・カカオに関する情報の発信・普及

明治グループでは、製品の主原料である乳・乳酸菌・カカオに関する情報について、各種学会、シンポジウムなどでその研究成果を適宜公表しています。また、一般のお客さまに対しては、「乳・乳酸菌・カカオ」のもつ健康へのよい影響について食育、工場見学などの機会を通じて分かりやすく解説しています。

関連サイト

マーケティング・広告に関する従業員教育

責任あるマーケティングを推進するために、宣伝と広報に関わる従業員や希望する従業員に対して教育を実施しています。
今後はさらに教育内容を拡充し、従業員がお客さまへ商品に関する情報について適切にお伝えできるよう努めていきます。

教育内容と実績

(単位:人)

教育内容 2021年度 2022年度
明治グループ子ども向けマーケティングポリシー 130
明治グループにおけるSDGsロゴ・アイコンの使用に関するルール 29 156

超高齢社会への対応

超高齢社会に貢献する商品の創出

栄養に関する明治グループ独自の研究と設計技術を活かし、お客さまが必要な栄養分とエネルギーをバランス良く摂取できる商品を提供します。

おいしさと使いやすさを兼ね備えた栄養食品・流動食の開発

高齢になると、ものをうまく食べられなくなったり、消化機能が落ちたりすることで、栄養や水分を十分に摂れなくなることがあるため、低栄養に注意が必要な場合があります。おいしさと使いやすさを兼ね備えた栄養食品・流動食・介護食の開発など、ライフスタイルの変化による飲食するシーンの多様化に対応し、容量、形状、パッケージなども含めた、トータル的な商品開発に引き続き努めていきます。2021年は5品上市しました。

  • 写真:
    明治メイバランス Miniカップ
    (栄養食品)
  • 写真:
    明治栄養アップペースト
    (栄養食品)
  • 写真:
    明治メイバランスR
    (流動食)
  • 写真:
    明治インスロー
    (流動食)
  • 写真:
    かんたんトロメイク
    (とろみ調整食品)

低栄養啓発活動

高齢者の健康課題の一つとして、低栄養があります。明治グループでは高齢者が低栄養に陥るプロセスを説明し、いきいきとした毎日を送れるよう、啓発活動を実施しています。

医療・介護従事者や高齢者に向けた勉強会の開催

  • (株)明治の従業員が医療や介護に従事する専門職の方々や高齢者の皆さまに向けた勉強会を開催し、摂るべき栄養や食事内容、食事法などを説明しています。
  • 写真:株式会社明治の従業員による勉強会

明治栄養ケア倶楽部での情報発信

(株)明治ホームページにおいて低栄養に関する情報発信を行っています。

栄養ケア倶楽部 栄養ケア情報(低栄養とは)

開発途上国における栄養改善

開発途上国における栄養情報の発信・普及

開発途上国では貧困層を中心に、低栄養の課題があります。食に携わる企業として、栄養改善に取り組む関連団体と協力し、栄養情報の発信・普及により食生活への意識向上を図るなど、課題解決につながる取り組みを行っていきます。

「栄養改善事業推進プラットフォーム」への参加

(株)明治は、「栄養改善事業推進プラットフォーム(Nutrition Japan Public Private Platform:NJPPP)」に参加しています。
このNJPPPは、日本政府が2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて世界的な栄養改善の取り組みを強化することを表明した「新興国・途上国を含む各国の栄養改善のため、官民連携を通じた包括的ビジネスを含む事業の国際展開を進める」枠組みです。2015年に国際連合で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」にある健康・福祉の推進や飢餓の撲滅など複数の課題解決に貢献する取り組みを行っています。

栄養改善事業推進プラットフォーム

ベトナムにおける女子労働者の栄養改善事業

2030年までに65万人の女子工場労働者に栄養教育を実施

近年、ベトナムでは女性の栄養不足が社会問題となっています。なかでも、妊産婦や授乳婦、労働者の栄養改善に課題を抱えています。こうした課題の解決に貢献するべく「女子工場労働者の栄養改善事業」に取り組んでいます。これは、(株)明治の栄養士が工場で働く女性従業員に向けて栄養教育を行い、栄養強化ミルクの提供を通して栄養状態を改善してもらうことを目的としたものです。これまで、日系大手メーカー2社の工場で栄養改善セミナーを複数回実施し、あわせて370人の女性従業員の方々が受講しました。
ハノイ医科大学の協力を得て栄養調査を実施し、栄養教育と食事の指導によって、血中の鉄や亜鉛、カルシウムの増加などの改善効果が認められています。この成果は、2020年11月に開催されたハノイ医科大学60周年国際シンポジウムにて、同大学のNguyen Thuy Linh医師によって発表されました。今後、こうしたエビデンスをもとに栄養改善事業をさらに拡大し、2030年までに65万人の女子工場労働者の方々に栄養教育を行うことを目標としています。

写真:
栄養士による栄養改善セミナーの様子
写真:
栄養改善セミナーとともに、栄養強化ミルク「MEILIFE(メイライフ)」を提供

医薬品の安定供給

安定供給に関する取り組み

医薬品事業では、リスク評価を実施し、不測の事態にも柔軟に対応できる供給網の整備のために日本国内外にわたる生産体制の増強など、信頼性ある製剤の安定供給への体制を整えています。

日本国内外生産拠点の最適化による安定供給体制の整備

日本国内と海外(タイ・インドネシア・インド・中国)の生産拠点を最適化し、安定した供給体制を整備していきます。

Key Drug 5剤の安定供給体制を強化

海外原薬メーカーの製造トラブルにより、国内ではセファゾリンの供給停止に端を発し、多くの医療機関で感染症治療薬(抗菌薬)の安定供給に不安が生じました。感染症治療は抗菌薬の安定的な供給なくしては成り立たないことから、感染症に造詣が深い5学会※1は、臨床的に重要かつ安定供給が不可欠な薬剤(Key drug)を2022年3月に32 薬剤に拡大し、Meiji Seika ファルマ(株)からは、13薬剤※2が選ばれました。
感染症治療の中心的な役割を担う社会的責任を全うすべく、品質確保と生産拠点の最適化を図り、安定供給体制の強化に引き続き努めていきます。

写真:安定供給が不可欠な薬剤 キードラッグ生産現場
  • ※1日本化学療法学会、日本感染症学会、日本臨床微生物学会、日本環境感染学会、日本小児感染症学会
  • ※2ペニシリンG、アンピシリンナトリウム/スルバクタム、タゾバクタム/ピペラシリン、メロペネム、バンコマイシン、セフジトレン ピボキシル、アミカシン、アモキシシリン、アンピシリン、クラリスロマイシン、ミカファンギン、カナマイシン、レボフロキサシン
抗菌薬の安定供給

Meiji Seika ファルマ(株)は、ペニシリン系抗菌薬の共通原料である6-APAを岐阜工場で生産する準備を進めています。この原料の国産化により、現在、海外からの供給に依存している6-APAの安定的な確保が実現できます。2025年の生産開始を目指しています。

写真:ペニシリン系抗菌薬の共通原料6-APAの生産準備中の岐阜工場

感染症パンデミック発生に備えたワクチンの生産体制を整備

KMバイオロジクス(株)は、厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の助成金を受け新型インフルエンザ発生に備えたワクチン生産設備を整備しており、日本国民の約半数に当たる5,700万人分のワクチンの生産・供給を担うことになります。
また、経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」の採択を受け、感染症パンデミック発生に備えたワクチン製造設備を整備します。この整備により、有事の際に国内でワクチンを円滑に生産できる体制を構築することができます。

シングルサプライ製品の供給

ヒト用のまむし、はぶといった蛇毒などの抗毒素、A型肝炎ワクチン、ならびに動物用の炭そワクチン、診断薬など国内で唯一、KMバイオロジクス(株)のみが製造している製品が数多くあります。

日本国内ではKMバイオロジクス(株)のみが製造している製品で、他社では製造していないため代替製品がないもの。

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の開発・供給

Meiji Seika ファルマ(株)は2012年に、発症頻度が4万人に1人と推定され、乳児期に発症する難治性のてんかん症候群であるドラベ(Dravet)症候群治療薬「ディアコミット®ドライシロップ」「ディアコミット®カプセル」を発売しました。2011年3月に同疾患を対象として希少疾病用医薬品の指定を受けています。
KMバイオロジクス(株)は7製品において9つのオーファンドラッグ指定を受け、承認を取得しています。(2022年6月1日時点)

日本において対象患者数が5万人未満であり、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、厚生労働省が指定した医薬品。

医薬品アクセスの向上

開発途上国や新興国における医薬品アクセスの向上を目指し、各関連団体と連携した取り組みを進めていきます。

メドライク(Medreich)からユニセフ(unicef)を通じた医薬品の提供

インドのメドライク社は2015年2月にMeiji Seika ファルマ(株)のグループ会社となりました。メドライク社はインド国内に5つの工場とグローバルな販売網を有しており、大手医薬品メーカーの受託製造も行っています。メドライク社の欧州の販売・マーケティングの拠点であるメドライクplcは、ユニセフに抗生物質アモキシシリン(Amoxicillin)を供給し、販売しています。今後もメドライク社はユニセフを通じて医薬品のアクセス向上に貢献していきます。

unicef:United Nations International Children's Emergency Fund

メドライク ホームページ

メドライクの紹介

新興・再興感染症対策

薬剤耐性(AMR)に関する取り組み

薬品事業においては、1946年のペニシリンの開発以来、感染症領域を医療用医薬品事業の中心に据えて、開発、製造、販売を行ってきました。各種感染症に対して抗生物質をお届けするとともに、流行のピークに合わせた情報提供や、医療機関に対し適正使用を推進するための情報提供活動に努めます。

抗生物質の適正使用に向けた情報提供

写真:「Stop AMR」をキーワードにしたポスター

明治グループの取り組みの一つに、関連団体と協力して行う啓発活動があります。日本製薬工業協会の「AMR スチュワードシップ」のプロジェクトメンバーとして参加し、「Stop AMR」をキーワードにしたポスターと動画を制作しました。医療関係団体にポスターの掲示や動画放映を依頼して一般市民への啓発を図るとともに、医療機関に対しても薬剤耐性に関する情報提供活動を行っています。また、AMR対策には欠かせない、人、動物、環境の衛生に関する分野横断的な課題に対し、関係者が連携してその解決に向けて取り組むという「ワンヘルス・アプローチ」の啓発に加え、会員企業の取り組みを紹介しています。

日本製薬工業協会 薬剤耐性(AMR)
バンコマイシン耐性菌による感染症抑制への取り組み

抗菌薬の不適切な使用などを背景に薬剤耐性菌※1による感染症のリスクが世界規模で拡大しています。一例として主にMRSA※2感染症治療薬として使用されるバンコマイシンの頻用により、バンコマイシン耐性菌による感染症が発現しています。この耐性菌の増加を抑えるべく、厚生労働省、日本感染症医薬品協会と製薬企業により「バンコマイシン研究会」が設立されました。Meiji Seika ファルマ(株)は2002年の研究会設立以来、幹事会社として関わり、バンコマイシンの適正使用に向けた数々の取り組みを主導しています。関係団体などと連携して薬剤使用量を継続的に監視することで、薬剤耐性の変化や拡大の予兆を把握し、これらの調査結果を厚生労働省に報告するとともに、医療機関にも提供しています。

  • ※1特定の種類の抗菌薬が効きにくくなる、または効かなくなった細菌
  • ※2MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
β-ラクタマーゼ阻害剤の研究開発

薬剤耐性(AMR)対策はいまや世界規模で取り組む重要課題であり、2019年6月のG20大阪サミットでも討議されました。わが国でも「AMR 対策アクションプラン」が策定され、薬剤耐性菌による感染症に対する新たな予防・診断・治療法などの研究開発推進が謳われています。そうした中で、明治グループが開発した新規のβ-ラクタマーゼ阻害剤「OP0595」が、産学官連携による研究開発や創薬の革新を目的とした国家事業(医療研究開発革新基盤創成事業ーCiCLE)に採択されました。「OP0595」は、これまでのβ-ラクタマーゼ阻害剤にない作用を有する特徴を持ち、多剤耐性菌に対しても有効な治療法を提供できる薬剤として期待されています。すでに各種臨床第Ⅰ相試験が終了し、国際共同第Ⅲ相臨床試験の実施に向け準備が進められています。

新規薬剤・ワクチンの研究・開発

医薬品事業においては、一日でも早く、患者さんに製品が届けられるよう、研究開発を進めています。また感染症領域に携わる企業として、予防・薬剤耐性を含む感染症対策に取り組みます。

新型コロナウイルス感染症に対する取り組み

国産の不活化ワクチンの開発

KMバイオロジクス(株)は、長年のワクチン開発を通じて培ってきた知見を活かし、国立の研究所※1と協業して2020年5月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する不活化ワクチン※2(KD-414)を開発しています。また、2021年10月からはMeiji Seika ファルマ(株)とKMバイオロジクス(株)両社で必要な臨床試験を進めています。

KMバイオロジクス(株)では、COVID-19と同様にパンデミックを起こす可能性がある新型インフルエンザウイルスに対するプロトタイプワクチン※3の製造販売承認をすでに取得しており、新型インフルエンザ発生時には、迅速にワクチンを製造・供給できる体制を整備しています。今後、新たなウイルスによるパンデミックが起きることが考えられるため、現在開発を進めているCOVID-19に対する不活化ワクチンでも、プロトタイプワクチンとして製造販売承認申請が可能かを科学的に検討していきます。国産ワクチンを一日でも早く国内に供給できるよう開発を加速し、人々が安心して暮らせる社会の実現に努めていきます。

  • ※1国立感染症研究所、東京大学医科学研究所および医薬基盤・健康・栄養研究所
  • ※2大量に培養されたウイルスや細菌からウイルス粒子や細菌の菌体を集めて精製した後、薬剤等を用いて処理をし、感染力や毒力をなくした病原体やその成分で作ったワクチン
  • ※3模擬ワクチン。パンデミック時に必要に応じて製造株を変更することを前提として、パンデミック発生前にワクチン製造のモデルとなるウイルスを用いて、製造・開発されるワクチン
アストラゼネカ社ワクチンの国内供給に関する業務委受託契約締結

Meiji Seika ファルマ(株)とKMバイオロジクス(株)は、アストラゼネカ社が日本で製造販売(2021 年5 月特例承認)する新型コロナウイルスワクチン「バキスゼブリアTM筋注」を日本国内で供給するため、業務委受託契約を締結しました。
同契約に基づきKMバイオロジクス(株)は、2021年3月、12月にアストラゼネカ社からワクチン原液の供給を受け、製剤化を担いました。Meiji Seika ファルマ(株)は、8月から自らが保有するワクチン流通・供給体制を活用し、日本国内におけるアストラゼネカ社ワクチンの保管・配送・安全性情報の収集の業務を開始しました。

アストラゼネカ社と英オックスフォード大学による共同開発ワクチン

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み
次世代型イベルメクチン誘導体による画期的治療薬創出と抗ウイルス薬の基盤構築

COVID-19では重症化の阻止も大きな課題となっており、安全で効果の高い治療薬の開発が望まれています。2021年5月からMeiji Seika ファルマ(株)は感染症研究の伝統と実績を有する学校法人北里研究所と、次世代型イベルメクチン誘導体による治療薬創出と抗ウイルス薬の基盤構築を目的とした共同研究開発を開始しました。イベルメクチン誘導体は抗ウイルス作用に加えて、抗炎症作用や免疫調整作用もあり、治療と後遺症の両方に対応できる可能性をもっています。この研究開発を通して、さまざまなウイルス感染症に対する画期的な治療薬を創出することを目指します。

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業に採択されています

新型コロナウイルス感染症に対する治療用抗体の研究開発

Meiji Seika ファルマ(株)は、COVID-19 に対する治療用抗体の研究開発にも取り組んでいます。COVID-19 に対して抗体療法は高い効果が期待できると考えられています。COVID-19 に対するヒトモノクローナル抗体を解析し、効果があるものを選び出して治療用抗体を決定し、非臨床試験および臨床試験に用いる治験薬の製造法検討を進める予定です。

アミノ酸配列が単一の抗体で、一種類の抗原決定基(エピトープ)とだけ反応する抗体

デングワクチンの開発

熱帯・亜熱帯地域を中心に世界的に流行しているデングウイルス感染症に対する新規ワクチン(開発コードKD-382)の開発に取り組んでいます。デングウイルスには4つの血清型(1型、2型、3型、および4型)が存在し、KD-382は、非臨床試験において1回の接種で4つの血清型すべてに対して良好な免疫原性と防御効果を示すことが確認されました。また、フラビウイルス抗体陰性の健康成人を対象として海外で実施した第I相臨床試験において、KD-382は良好な忍容性と安全性を示し、さらに、1回の接種で4つの血清型すべてに対して良好な中和抗体誘導能(100%陽転)を示しました。

unicef:United Nations International Children's Emergency Fund

2021年3月10日プレスリリース (534KB)