人権
貢献するSDGs



明治グループサステナビリティ2026ビジョン
活動ドメイン
人権に関する目標
- ※【】内はKPIの対象範囲
- ※明治G:明治グループ
サステナビリティ活動KPI(2021年度から) | 実績 | 達成目標 |
---|---|---|
2021年度 | 2023年度 | |
国内グループ全従業員に対する人権教育(e-learningを含む)の実施【明治G国内連結】 | 1回実施(対象人数:約13,000人/受講率:90%) | 1回/年以上 |
海外グループ全従業員に対する人権教育(e-learningを含む)の実施【明治G海外】 | 海外グループ会社3社に対して実施(対象人数:約770 人/受講率:99%) | 1回以上 |
人権の尊重
人権に対する考え方
明治グループは「企業行動憲章」において人権の尊重を掲げ、すべての人が生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等であることを強く認識して企業活動を営んでいます。今後も人権尊重の取り組みをグループ全体でいっそう推進し、その責務を果たしていきます。
企業行動憲章グループ人権ポリシー
明治グループは国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえ、国際人権章典やILOの中核的労働基準、OECD多国籍企業ガイドラインなどの人権に関する国際規範を支持・尊重します。
医薬品事業に関しては「ヘルシンキ宣言」の倫理原則や医薬品規制調和国際会議(ICH)のガイドラインなどを尊重します。
また、特に食品事業と関わりのある子どもの権利については、ユニセフの「子どもの権利とビジネス原則」を尊重します。2020年には、菓子およびアイスクリームに関するマーケティングにおける子どもへの配慮について示した「明治グループ子ども向けマーケティングポリシー」を制定しました。2022年度は、子どもの権利について社内関係者の理解を深めるための取り組みを計画しています。
人権マネジメント体制
明治グループでは、明治ホールディングス(株)の社長の命を受けて同社の取締役であるCSO(Chief Sustainability Officer)が人権課題に関する対策の責任者を務めます。またCSOによる監督のもと、明治ホールディングス(株)のサステナビリティ推進部がサステナビリティの主管部署として、各対策の実行を主導します。
人権を含む明治グループのサステナビリティ活動全体を統括する組織として、明治ホールディングス(株)の経営会議の下に「グループサステナビリティ委員会」を設置しています。2019年7月には、明治ホールディングス(株)のサステナビリティ推進部を事務局として、関連部署と社外の専門家から構成される「グループ人権会議」を設置し、人権デュー・ディリジェンスを開始しました。「グループ人権会議」の下には、テーマごとに分科会を設置し、人権課題の調査、対策立案、予防に関する取り組みを進めています。明治ホールディングス(株)の取締役会は、これらの活動について定期的に報告を受け、活動プロセスと対策の有効性について監督を行っています。

また明治グループでは各職場に、ブランドプロモーションおよびサステナビリティに関する知識・理解の浸透を担う「meijiブランド推進責任者」および「meijiブランド推進リーダー」を設置しています。「meijiブランド推進リーダー」(約840人)は、各職場内における人権を含むサステナビリティ情報の周知や意識醸成を促します。「meijiブランド推進責任者」(約290人)は、「meijiブランド推進リーダー」が推進する活動の監督、指導を行います。明治ホールディングス(株)のサステナビリティ推進部では、「meijiブランド推進責任者・リーダー」を対象として定期的にオンラインフォーラムやセミナーを開催し、人権を含むサステナビリティ活動の浸透を図っています。
人権デュー・ディリジェンスの実行
2019年度から開始した人権デュー・ディリジェンスは、「明治グループ人権ポリシー」に基づいた、人権に対する私たちのコミットメントです。明治グループの企業活動における人権への負の影響評価および課題の特定、評価結果の社内プロセスへのフィードバックおよび適切な措置の実施、対処が適切かの追跡評価、適切な情報開示を行い、外部ステークホルダーとのコミュニケーションを図る継続的なプロセスです。この一連のプロセスを循環させて、人権の尊重と持続的な事業の実現に向けて取り組んでいきます。

2019年度は、食品と医薬品それぞれの事業領域のバリューチェーン全体における人権リスクを抽出し、外部からの客観的な視点を入れて、明治グループの顕著な人権課題を特定しました。
顕著な人権課題の特定

顕著な人権課題
- 横断的な課題:差別、ハラスメント、結社の自由および団体交渉権、適切な労働条件および賃金、労働安全衛生、労働時間、外国人労働者の権利
- 研究・開発に関する課題:情報へのアクセス、プライバシーの権利
- 調達・製造に関する課題:児童労働、強制労働、人身取引、地域住民の健康な生活、水へのアクセス
- 販売・物流・消費:マーケティングによる子供への影響の考慮、顧客・利用者の健康
- 廃棄に関する課題:地域住民の健康な生活、水へのアクセス
リスク評価とリスクの緩和・是正に向けた取り組み
2021年度の主な取り組みは以下の通りです。
-
サプライチェーンにおけるリスク評価と対応
- 2020年度に実施したサプライヤー74社に対して実施した調達アンケートの結果に基づき、取り組みの強化・改善が必要と考えられるサプライヤー40社に対して対応報告書の提出を依頼。またサプライヤー2社については個別の対話を実施しました。
- (株)明治は2021年、日本企業として初めて西アフリカのカカオ栽培における児童労働の撲滅を目的としたNPO、インターナショナル・ココア・イニシアチブ(ICI)に加盟しました。
-
自社内のリスク評価と対応
-
-
国内・海外グループのサステナビリティ評価の実施
国内グループ会社22社、海外グループ会社3社のサステナビリティ評価(EcoVadisまたは明治オリジナルアンケートを使用)を実施。評価が一定水準に満たない企業については面談を実施し是正策への取り組みを開始しました。 - 外国人労働者の人権課題
2020年2月に(株)明治およびMeiji Seika ファルマ(株)の国内直系工場および研究所における外国人労働者の有無に関するアンケートを実施し、直接雇用の外国人労働者については雇用契約や労務管理について問題ないことを確認しました。2021年度は、外国人が就労する14事業所((株)明治の工場8拠点およびグループ会社6社)の労務管理者および現場責任者に対してヒアリングを実施し、雇用契約や労務管理の状況について確認を行いました。その結果、雇用契約および在留資格の確認、労働時間の管理などの労務管理について大きな問題のないことを確認しました。
外国人労働者に関するヒアリング実績
実施時期 ヒアリング先 ヒアリング対象者 方法 2021年度 グループ会社 6社 労務管理者 計7人、現場責任者 計6人 WEB (株)明治の工場 8工場 労務管理者 計8人、現場責任者 計8人 WEB 一方で、外国人労働者の雇用や労務管理について、事業所ごとに対応方法や意識にばらつきがあったり、職場における外国語表示への対応が不十分だといった課題が見つかりました。そのため、グループ共通で外国人労働者を雇用する際に特に注意すべき点についてまとめ、2022年6月に「外国人労働者雇用ガイドライン」を制定しました。
外国人労働者にとって健全で安心して働ける、国際基準に適った職場環境の整備を目指し、今後は自社・自工場にとどまらず協力社も含めてガイドラインの理解促進と運用促進を図っていきます。
-
国内・海外グループのサステナビリティ評価の実施
-
<外国人労働者雇用ガイドライン記載項目>
1. 外国人労働者に関する確認事項、2. 外国人労働者から応募があった場合の留意点、3. 仲介業者等の利用、4. 仲介手数料とその他の関連費用、5. 就業規則、6. 労働条件・雇用契約、7. 強制労働の禁止、8. 賃金・労働時間、9. 寮などの住居の提供、10. 相談窓口・苦情処理制度、11. 労働安全衛生、12. 健康診断、13. 研修、14. 契約終了・解雇・再就職の援助、15. 自社工場内の協力社、派遣企業とのコミュニケーション
-
-
人権教育
人権ポリシーの周知を含む「ビジネスと人権」に関するe-learningを実施し、従業員の人権に対する意識向上と人権リスクの低減を図りました。国内外グループの従業員約14,000人が受講しました。
各国・各地域の人権尊重に関する法規制への対応
明治グループはグローバルに事業を展開していくうえで、各国で定められている労働環境や人権に関する法令を遵守し、すべての事業活動において誠実に行動していきます。
- 英国現代奴隷法(Modern Slavery Statement 2015)
Meiji Group Modern Slavery Act Transparency Statement
- オーストラリア現代奴隷法(Modern Slavery Act 2018)
Modern Slavery Act Statement 2021
- カリフォルニア州サプライチェーン透明法
California Transparency in Supply Chains Act Statement
人権尊重の啓発活動
基本的人権の尊重および差別の禁止、強制労働および児童労働の禁止、ハラスメントの禁止、安全衛生への配慮、従業員の基本的な権利の尊重など、「明治グループ人権ポリシー」に基づく啓発活動に取り組んでいます。
グループ従業員の教育
2021年度は国内全従業員(約13,000人、受講率90%)に対して「ビジネスと人権」に関するe-learningを実施するとともに、海外は人権の優先取り組み地域である米国、英国、インドの従業員(約770人、受講率99%)を対象に人権教育を実施しました。教育の中では、明治グループ人権ポリシーの解説を行うとともに、児童労働や外国人労働者の人権など日常業務と関連する人権課題について説明を行い、従業員の人権に対する意識向上とリスク低減を図っています。
ハラスメントに関する教育
職場における人権問題の1つであるハラスメントについて、全従業員を対象にe-learningを実施しています。多様化する現代のハラスメント例と当社グループにおけるハラスメントの考え方を解説し、従業員のハラスメントに対する意識の向上を図っています。また、管理職に向けては、具体的な事例を通した教育に加え、ハラスメントの相談があった際の対応方法に関する教育などを実施し、ハラスメント防止に向けた取り組みを推進しています。
採用担当者に向けた教育
国内においては、全国の事業所における採用担当者に公正な採用選考に関する教育を行っており、就職差別の禁止、ハラスメントの禁止、応募者の基本的人権の尊重の遵守を徹底しています。また、自主的な就労の意思を尊重するとともに、事前に労働条件(従事する業務の内容、労働時間、休憩時間・休日・休暇、賃金、昇給、退職に関する規定等)を明確に提示し雇用契約書を締結することで強制労働の防止を図っています。加えて、児童労働禁止の観点から、採用時における、法に定める最低年齢を満たしていることの確認を徹底しています。