第3回 ESGアドバイザリーボード(2022年)
- 開催日:2022年8月31日
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参加者:
【有識者】
上垣内 猛氏(株式会社 J-オイルミルズ 取締役 専務執行役員 油脂事業本部長)
小木曽 麻里氏(SDGインパクトジャパン Co-CEO)
ピーター D. ピーダーセン氏(当社社外取締役、特定非営利活動法人ネリス代表理事)
【明治ホールディングス株式会社】
川村 和夫(代表取締役社長 CEO)
古田 純(取締役専務執行役員 CSO)
松岡 伸次(執行役員 サステナビリティ推進部長)
松本 有平(執行役員 グループ人事戦略部長)
山縣 洋一郎(経営企画部長)
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意見交換
議題1:明治グループ統合報告書2022について
議題2:カーボンニュートラル ロードマップ策定について
議題3:今後のグローバル展開について
議題1:明治グループ統合報告書2022について
サステナビリティをいかに事業価値に結び付けるか
明治ならではの事業と一体化した価値創造ストーリーを
有識者ご意見
- サステナビリティという単語がほとんど出てこないというのが良い。非財務と財務が一体になってきていることの現れである。
- サステナビリティと事業との融合の見せ方にまだ課題が残る。明治グループが未来をどう捉え、目指すべき将来像と価値創造ストーリーを一目でわかるようにストーリーを描くとよい。
- 全体を通して、従業員の顔が見えてこない。どのような人がどのように活躍しているのか事例が出てくると良い。
- 明治らしい健康価値や明治ROESG®※とは何か?について、社員からアイデアを出してもらい、イノベーション創出の過程を掲載できると、明治らしくいきいきとしたレポートになるのではないか。
- 女性の従業員が一人も出てこないので、女性が活躍している印象を持てない。ダイバーシティについて、他社より遅れているという感は否めない。今後の取り組み強化に期待したい。
これまでは主に投資家へのメッセージを意識してきましたが、今後は従業員の顔が見えるようなストーリー性や表現についても検討していきます。カカオや酪農などに対する取り組みは進んでおり、事業改革につながっていくテーマになり得ると考えます。こうした取り組みは、まさにESGがROE向上に貢献するという本来の狙いに近づくものであり、経営層だけでなく従業員も一体になって、明治グループにしかできないアウトカムの実現にチャレンジしていきます。
議題2:カーボンニュートラル ロードマップ策定について
明治グループが構想する未来を伝え、取引先やお客さまとともにカーボンニュートラルの実現を目指す
有識者ご意見
- 一般的にCO2削減の取り組みは非常に分かりにくいところがある。今回のように、動画で説明していくのは効果的であり、とても良い。
- スコープ3のカーボンニュートラルは、当社だけでは達成できるものではない。2030年や2050年のビジョンの実現に向けて、いかにパートナー(取引先)と価値観を共有するかが重要である。
- 酪農業やカカオ産地におけるCO2の削減は、明治グループが業界をリードする気概をもって推進していくべきである。
- カーボンニュートラルへの対応はコストがかかる。それをどのようにお客さまへの付加価値として共有化できるかというのも大事なポイントである。
- この取り組みを通じて、生活者にもっと明治を好きになってもらいたい。そのためには、製品を通じて明治グループが考えている未来を表現していくことが重要である。子どもをターゲットとした取り組みで未来のストーリーを描くのも面白い。
CO2削減の取り組みは当社だけでなく、取引先と連携しながらサプライチェーン全体で取り組んでいく必要があると考えています。まずは、サプライチェーンの各プロセスでの排出量を見える化するために、カーボンフットプリント(CFP)を導入し、商品ごとのCO2排出量について算出していきます。明治グループは特に生産者の方々の支援にも力を入れており、生産者や地球環境とWin-Winとなるよう取り組みを強化していきます。
2050年カーボンニュートラル社会に向けて(動画)議題3:今後のグローバル展開について
海外グループ会社のリーダーとのエンゲージメントを強化し、グローバルでのサステナビリティと利益成長の実現を
有識者ご意見
- 明治グループの社員数の内訳は、海外が3割を占めているので、サステナビリティ活動のグローバル展開は加速する必要がある。
- サステナビリティは非財務的な世界の共通言語である。海外グループ会社それぞれの経営層とエンゲージメントし、目指すべき方向性を一致させることが重要である。
- 今年度計画しているグローバル・サステナビリティミーティングは、ビジョンや戦略の共有など、自らが動くためのモチベーションをあげるために重要な機会である。今後は定期的に開催してほしい。
- 各社が自社のサステナビリティに関する取り組みレベルを自己採点すると同時に、今後の取り組み計画を立案できるような、フレームワークを構築すると良い。
海外グループ会社は、これまで事業拡大に軸足を置いて取り組んできましたが、これからはサステナビリティを一つの共通言語として、経営層との価値観のベクトルを合わせ、国内と同様に取り組みを強化・加速させていきます。