第4回 ESGアドバイザリーボード(2023年)

小木曽 麻里氏はWebにてご参加いただきました。
  • 開催日:2023年1月25日
  • 参加者:
    【社外有識者】
    上垣内 猛氏(株式会社 J-オイルミルズ 専務執行役員 油脂事業本部長)
    小木曽 麻里氏(SDGインパクトジャパン Co-CEO)
    ピーター D. ピーダーセン氏(当社社外取締役、特定非営利活動法人ネリス代表理事)
    【明治ホールディングス株式会社】
    川村 和夫(代表取締役社長 CEO)
    古田 純(取締役専務執行役員 CSO)
    松岡 伸次(執行役員 サステナビリティ推進部長)
    松本 有平(執行役員 グループ人事戦略部長)
    山縣 洋一郎(経営企画部長)

    社名、肩書き等は2023年1月時点のものです。

  • 意見交換
    議題1:2026中期経営計画策定に向けたマテリアリティの考え方について
    議題2:サステナビリティの自分ゴト化について
    議題3:明治版NPS(栄養プロファイリングシステム)構築について

議題1:2026中期経営計画策定に向けたマテリアリティの考え方について

サステナビリティと事業の融合よる企業価値向上を目指して、
事業戦略に直結したマテリアリティの策定を。

有識者ご意見

  • サステナビリティが経営のマテリアリティとなってきている。目指す姿(ビジョン)の実現に向けて、どのように「資源」を配分していくのかという戦略を示した上で、マテリアリティを設定するという首尾一貫したストーリーが必要。
  • 明治グループのマテリアリティは、やや狭義な定義になっているように思う。特に「こころとからだの健康に貢献」のマテリアリティでは、エシカル調達を実施した商品まで対象を広げるなど、定義を見直すことでサステナビリティにおける競争力を強化できる。欧州の企業ではそのような製品をサステナブルプロダクトとして訴求している。
  • 人財のマテリアリティに関しては、ジェンダーという切り口だけでなく、より裾野を広くみるべき。ただし、全ての人が能力を発揮できるための研修や人財への投資、働き方改革などを検討する上で、女性活躍が一つの象徴的指標の役割を果たしているという見方もある。
  • 投資家はマテリアリティがどのように業績に影響を与えているかを知りたがっている。社会への影響と事業への影響に関するマテリアリティマップがあると分かりやすい。

今まさに明治グループは、サステナビリティと事業の融合が本格的に問われるステージに突入していると認識しています。事業との関係性が分かるようなマテリアリティマップの策定、および事業戦略と融合したサステナビリティストーリーを示し、サステナブルプロダクトの創出を検討していきます。

写真:
写真:
写真:
写真:

議題2:サステナビリティの自分ゴト化について

日々の取り組みが社会や未来につながっている実感を持てることが重要。
若い世代の声を聞きながらサステナビリティをより身近に感じられる接点の創出を。

有識者ご意見

  • 製品とサステナビリティがつながるようになると、それに携わる従業員も“世の中を良くしている”“未来を創っている”と感じるようになる。自分ゴト化は製品ブランドで推進するという考え方がある。
  • サステナビリティビジョンで目指す姿を理解することが、自分ゴト化のはじめの一歩。一度言ったから伝わるものではなく、何百回何千回も機会があるたびに繰り返し分かりやすく伝え続けることが重要。
  • 具体的な手法として、サステナビリティを身近に感じられるスローガンの策定、将来世代からCFO(チーフフューチャーオフィサー:最高未来責任者)の採用、また、サステナウィークといった気軽に参加できるイベントの開催など。
  • サステナビリティという言葉そのものよりも、日々やっていることがお客さまや社会につながっているという気付きが得られると深く心に残る。そういった小さな成功の積み重ねが大事。

サステナビリティを推進するにあたり、関わっている部署だけが先を走り、従業員が乗り遅れてしまうといった状況に課題を感じていました。楽しく面白く、従業員一人一人が気軽にアクションできるようなエンターテイメント性を取り入れていくという示唆をいただきました。将来世代、若い世代の従業員の視点を取り入れながら、もっと身近に感じられるサステナビリティへのアプローチを検討していきます。

写真:
写真:

議題3:明治版NPS(栄養プロファイリングシステム)構築について

NPSはビジョンや商品と紐づけ、ストーリー性を持たせることが重要。商品の評価・改善とともに、それぞれのライフステージにあった栄養の啓発など、お客さまの健康に寄与するイノベーションを。

有識者ご意見

  • NPSは新しい指標として捉えるのではなく、目指すべきゴールに向けて明治グループとしてどういう「care」と「cure」ができるのかといった、今ある枠組みに当てはめながら商品と紐付けていくと、ストーリーとして成り立つのではないか。
  • 国や業界団体などのイニシアチブと連携しながら、明治らしいやり方で先行していくのがよい。
  • さまざまなライフステージで摂るべき栄養は異なってくる。高齢化や女性の健康への提案も期待したい。分かりやすい栄養に関する基準を作って、お客さまへの栄養に関する啓発を行ってほしい。

NPSは日本の食品業界においては先進的な取り組みだと考えています。NPSを一つの評価軸として商品の評価・改善につなげるとともに、さまざまなライフステージにおける栄養の摂り方についても検討を進めます。そして、お客さまの健康に貢献するイノベーション創出につなげていきます。

写真:
写真: