カカオ産地で取り組む
アクション

森林教育

農家の皆さんに、クライメートスマート・カカオ・トレーニング(森林破壊と自然環境システムの回復に関する情報提供)や、GAP[Good Agricultural Practice]トレーニング(持続可能な農業を実現する取り組み)を行い、カカオ農園に関わる森林減少の停止に向けて取り組んでいます。

農家向けのカカオ栽培に関する勉強会
農家向けのカカオ栽培に関する勉強会
クライメートスマート・カカオ・トレーニング実施農家数3,221件
(対象期間:2021年10月~2022年9月)
GAP(Good Agricultural Practice)トレーニング実施農家数3,883件
(対象期間:2021年10月〜2022年9月)

森林減少の確認

現地パートナーと協働し、調達先の農園を訪問しながらGPSマッピングによるモニタリングを行っています。GPSマッピングは、携帯電話を持って農園の境界を歩いて園地範囲を特定し、農園が森林保護区などに関与していないか確認しています。

農園の境界をスマートフォンを持って歩きGPSでマッピング
農園の境界をスマートフォンを持って歩きGPSでマッピング
農園の形にマッピングされたスマートフォンの画面
農園の形にマッピングされたスマートフォンの画面
マッピング農家数4,585件 森林保護区に存在する農園数43件 森林保護区に存在する農家数36件 そのうちサプライチェーンから外し、是正過程にある農家数28件 マッピング農家数4,585件 森林保護区に存在する農園数43件 森林保護区に存在する農家数36件 そのうちサプライチェーンから外し、是正過程にある農家数28件
(対象期間:2021年10月~2022年9月)

森林保全活動

カカオ農園と周辺地域の森林環境と生態系の維持・回復に向けて、さまざまな種類の苗を配布しています。

多目的樹木 累計配布数124,680本 カカオ苗 累計配布数231,684本 野菜苗 累計配布数100,000本 シェードツリー 累計配布数25,500本 多目的樹木 累計配布数124,680本 カカオ苗 累計配布数231,684本 野菜苗 累計配布数100,000本 シェードツリー 累計配布数25,500本

カカオと森林の共存に向けて、
森をつくる農業「アグロフォレストリー」の推進

カカオの生産は、森林伐採による自然環境破壊や生物多様性の損失という重大な社会課題を抱えています。

明治では、これらの課題を解決する農法として注目されている、「アグロフォレストリー」に2009年から取り組んでいます。

「アグロフォレストリー」とは?

アグリカルチャー(農業)とフォレストリー(林業)をかけ合わせた造語で、森林伐採後の土地に単一ではなく複数の農林産物を共生させながら栽培する農法です。例えば、カカオの苗木とともにバナナやコショウなどを植えることで、森の生態系を維持しながら自然へのダメージを最小限に抑えることができます。

AGRICULTURE 農業 + FORESTRY 林業 = AGROFORESTRY
森林伐採後の荒れた土地を整える → 森の生態系にならいカカオの苗木を他の植物と一緒に植える → 先に高い木が成長し日陰ができることでカカオが育ちやすくなる → 豊かな森とともにカカオが育つ 森林伐採後の荒れた土地を整える → 森の生態系にならいカカオの苗木を他の植物と一緒に植える → 先に高い木が成長し日陰ができることでカカオが育ちやすくなる → 豊かな森とともにカカオが育つ
アグロフォレストリーの役割 1収入の安定 単一栽培よりも、一年を通して複数の作物を収穫できるため、収入の安定化につながります。 2自然保護 カカオ生産と植林を並行して行うことで、森林を守りながら同じ場所での長期的な生産が可能です。 3地球温暖化対策 成長中の若い樹木はCO₂を多く吸収するため、地球温暖化の抑制効果が期待できます。 森林伐採後の荒れた土地を整える → 森の生態系にならいカカオの苗木を他の植物と一緒に植える → 先に高い木が成長し日陰ができることでカカオが育ちやすくなる → 豊かな森とともにカカオが育つ
  • ブラジル連邦共和国

    ブラジル連邦共和国

    • 2009年から、カカオ豆の共同品質研究を行うブラジル・トメアスーのカカオ農家とともに、アグロフォレストリーに取り組んでいます。
    • カカオとともに、バナナやコショウ、パッションフルーツ、アサイーなど複数の農作物を組み合わせて栽培しています。
  • ガーナ共和国

    ガーナ共和国

    • 2020年からガーナ政府認定NGO「おはようガーナ基金」とともに試験農園の支援を開始、作物や栽培方法の試行錯誤を続けています。
    • カカオとともにバナナやプランテーン、キャサバなどを植えています。
  • 〈アグロフォレストリーミルクチョコレート〉

    フルーティな香りとミルクに合うロースト感とコク

    アグロフォレストリーミルクチョコレート
  • 〈Green Cacao〉

    [業務用]カカオ分62%のスイートチョコレート

    Green Cacao

アグロフォレストリーで作られたブラジルトメアスー産カカオ豆をカカオマス中に使用。持続可能な農法を応援し、農家の人々の安定的な生活を支えます。

森林の保護を目的とした世界的パートナーシップ、
「Cocoa & Forests Initiative」に参画

2017年、カカオ農園拡大に伴う森林破壊をなくし、森林の保護・回復を目的としたパートナーシップが世界カカオ財団などの協力によって設立されました。それが、「Cocoa & Forests Initiative(CFI)」です。明治を含めた、世界で流通するカカオの約85%を占めるカカオ・チョコレート関連企業33社、最大のカカオ生産国であるコートジボアールとガーナ両国政府が参画しています。

Cocoa & Forests Initiative

カカオ・セクターにおける
森林減少停止のために活動しています。

明治を含むCFI加盟企業は、2019年~2022年の活動を終え、各社が新たに策定した2025年までの計画に基づき活動しています。重点的な取り組みを3つに絞り、森林減少停止のための活動を推進しています。

1 森林の保護と回復 2 カカオ農家の生産性および生活水準の向上 3 地域社会の参画促進

REPORT

2022

ガーナ国内の7地域168コミュニティにおいて、“より少ない土地でより多くのカカオを”を目指して、下記3点のプログラムに焦点を当てて実施しました。

  • 5,068の農園の状況を調査、登録する(マッピング)と共に、1032の農園でアグロフォレストリーを推進しました。

  • 3,883の農家を対象にアグロフォレストリーやGAPを含むトレーニングを実施しました。

  • 計17,000本のシェイド・ツリーの苗木をカカオ農園に配布しました。

  • 農家向けのカカオ栽培に関する勉強会 農家向けのカカオ栽培に関する勉強会

    農家向けのカカオ栽培に関する勉強会

  • 農園の境界をスマートフォンを持って歩きGPSでマッピング 農園の境界をスマートフォンを持って歩きGPSでマッピング

    農園の境界をスマートフォンを持って歩きGPSでマッピング

2021

ガーナ国内の4地域87コミュニティで活動を展開しました。

  • アグロフォレストリーや農業生産工程管理(GAPs)などについて、3,447農家に指導を行いました。

  • 127,926本のカカオ苗木を配布して、農園の再生を支援しました。

  • カカオ農園に10,000本の多目的樹木と、農園の外に2,000本の木を植えました。

  • カカオ苗木のナーサリーを設立しました。

  • 苗木育成、カカオ農業、日常生活のための井戸を2つの村に寄贈しました。

  • トレーニングクラスに参加した農民たち トレーニングクラスに参加した農民たち

    トレーニングクラスに参加した農民たち

  • 寄贈した井戸 寄贈した井戸

    寄贈した井戸

2020

  • アグロフォレストリー・システムや農業生産工程管理(GAPs)を含む、気候変動にも適応できるカカオ生産についての指導を、保護区以外の191農家に実施しました。

  • 生産性の高いカカオの苗木センターを開設しました。

  • 生産性の高い3,525本の苗木を農家に配布して、カカオ農園の再生を支援しました。

  • 苗木の育成、カカオ農業や日々の生活に使う水を得るための井戸を5つの村に建設しました。

  • 農園でのトレーニング 農園でのトレーニング

    農園でのトレーニング

  • 建設した貯水タンク付きの井戸 建設した貯水タンク付きの井戸

    建設した貯水タンク付きの井戸

2018~2019

  • アグロフォレストリー、農業生産工程管理(GAPs)などに関する指導を2,548名の農家に実施しました。

  • アグロフォレストリーにより森林の修復を図るために、112,860本の苗木を配布しました。

  • カカオの苗木センターを10か所設置して、生産性の高い品種の苗木を育て、71,933本を配布しました。

  • トレーニングスクール トレーニングスクール

    トレーニングスクール

  • 苗木センター 苗木センター

    苗木センター

このページを共有する

このページを印刷する

トップへ戻る