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顔写真:川俣 智子

川俣 智子

Meiji Seika ファルマ株式会社 経営企画部
ニュートラシューティカルG

私たち現代人は豊かな食生活を送る一方で、さまざまな栄養成分が不足した状態にある人も少なくありません。足りない栄養素をサポートする手段としてサプリメントを活用している人も多いのではないでしょうか。しかし、必要なサプリメントの種類や量を一般の消費者が正しく見極めるのは困難です。そこで長年精神科領域の治療薬を開発・販売してきたMeiji Seika ファルマから登場したのが、患者さんがかかりつけ医に相談して購入する「meiQua(メイキュア)」というサプリメントです。Meiji Seika ファルマが提案する新たな健康価値へのアプローチ。この取り組みにかける思いやこだわりを、ブランド立ち上げのプロジェクトマネージャーである川俣に聞きました。

サプリメントを取り巻く社会課題

近年の日本では、膨大な種類と量のサプリメントが販売されています。それぞれの製品は成分も購入方法も多様です。そんな中、消費者が自分に必要な成分や摂取量を自分で判断することは難しく、結果的にサプリメントを過剰に摂取したり、相互作用によって思わぬ健康被害が生じたりしている現状があります。特に、医薬品を服用している疾患治療中の患者さんの場合、医薬品との飲み合わせや疾患特性を考慮したサプリメントの選択は、さらに難しいことだと考えられます。

かかりつけ医に相談して飲むサプリメントを普及できれば、これらサプリメントに関連する社会課題を解決し、健康になりたいと願う患者さん、その患者さんを支える医療従事者の力になれるのではないか──。この思いから新規事業立ち上げのプロジェクトを発足し、そのプロジェクトマネージャーとして川俣が抜擢されました。

実はもともと、「食と薬で何か新しい事業をやりたい!」と思って入社したんです。偶然もありましたが、この新規事業がその志を実現する第一歩になりました。

明治グループ内の知見を結集し、「患者さんのためのサプリメント」を作る

本新規事業の立ち上げに当たっては、いくつかの課題がありました。特に大きかったのは、これまで医薬品やワクチンの製造販売を担ってきたMeiji Seika ファルマで、初めてサプリメントという食品を扱うことでした。遵守すべき法規制や広告表現のルールなども含めて、開発段階から製造、販売に至るまで、医薬品とは異なる部分が多くありました。「食品規制に適合した原料調達、食品表示等をどのように行うか」「医師や患者さんに『meiQua(メイキュア)』ブランドの特性・こだわりをどう伝えるか」「栄養に関する質問にどう回答するか」など、明治グループ内の食品事業のノウハウも結集して、一つ一つの課題を解決していきました。

写真:会議でアイデアを出し合う様子
写真:製品パッケージを確認する様子

「meiQua(メイキュア)」について話し合うニュートラシューティカルGのメンバーたち

販売方法は、患者さんの症状や服薬状況をよく知るかかりつけ医からサプリメントを紹介いただくフローにこだわって検討。医療現場の意見も踏まえて、医療機関で直接購入するのではなく、患者さん自身がECサイトで購入する仕組みとしました。

医師に相談することで、患者さんは自分に合ったサプリメントを安心して摂取できる

図:「どれを飲もう?」「いつものお薬と一緒に飲んでいいのかな?」「友達に勧められたけど、自分に合う?」と悩む患者と「このサプリメントで栄養補給しましょう」という医師に対して「これなら安心!」と思う患者

自分でサプリメントを探そうとしても…

  • どれが適切なのかわからない
  • 普段服用している薬との相互作用も不安

かかりつけ医が紹介する形なら……

  • 患者さんに合った安全なサプリメントを勧められる

患者さんの疾患、健康状態や生活習慣を把握している医師に、診療や日常の健康サポートの中で使っていただく。
「患者さんのためのサプリメント」というコンセプトです

「meiQua(メイキュア)」は、疾患特性に着目し、科学的なエビデンスにこだわった成分を配合した製品です。シリーズ最初の製品である「meiQua EPA1000」は、専門家である帝京大学医学部精神神経科学講座主任教授功刀浩先生にアドバイスをいただいて開発しました。日々の食生活で不足しがちな栄養素・成分をエビデンスに基づいて配合したオールインワンの製品です。2022年4月から首都圏の精神科や内科などの医療機関に案内を開始し、順次販売エリアを拡大しています。

写真:「meiQua EPA1000」のパッケージ
「meiQua EPA1000」

健康維持に必要な栄養摂取を

現代は飽食の時代と言われており、特に先進国における過食と肥満は大きな社会問題となっています。それにもかかわらず、現代人の多くはさまざまな栄養素が不足した状態にあります。

日本においても、EPA、亜鉛、葉酸、ビタミンDなどが不足しがちな栄養素として挙げられることがあります。これは、食物が精製・加工される過程で、食物に本来備わっている成分が失われることや、食生活の欧米化により肉の摂取量が増え、魚や穀物、食物繊維が減少していることが原因であると指摘されています。

健康を維持するためには、エネルギーの過剰摂取に注意しながらバランスの取れた食生活を送ることがまずは重要です。しかし上述のような理由から、日常の食事で摂ることが難しくなっている栄養素も存在します。サプリメントはそうした栄養を補助するうえで、一つの有効な手段だと考えています。

写真:功刀 浩 先生
帝京大学医学部
精神神経科学講座
主任教授
功刀 浩 先生

「食」と「薬」が新しい価値につながっていく──
まだ道は半ば

こうして発売に至った「meiQua EPA1000」。しかし、川俣は、本新規事業はまだこれからだと言います。

明治グループには、meijiならではの素材や栄養についての知見があります。こうしたエッセンスを盛り込んだ製品開発ができれば、もっとmeijiらしく社会に貢献できる。

疾患を予防し、発症した場合は医療機関で診断して、治療を進めていく──栄養という要素は、この全ての段階の基礎をつくるものです。一方で、治療と並行しての栄養学的アプローチは、分野によってはまだ始まったばかり。明治グループの「食」と「薬」に関する知見を活かした多彩なアプローチで、人々の健康に貢献できる可能性が生まれます。

写真:想いを語る川俣

食も薬もバラバラに取り組むだけでは足し算にしかならない。でもシナジーを生み出すことができれば掛け算になります。

明治グループのさらなる可能性を目指して。挑戦は始まったばかりです。

写真:meiQuaに携わるメンバーがガッツポーズしている集合写真
「meiQua(メイキュア)」に携わるメンバーたち