人財
貢献するSDGs



明治グループサステナビリティ2026ビジョン
活動ドメイン
サステナビリティ活動KPI(2021年度から) | 基準年 | 実績 | 達成目標 | ||
---|---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2026年度 | ||
女性管理職比率の拡大 | 2017年度(2.6%) | 4.7% | 5.6% | ー | 10%以上 |
女性リーダー(管理職および係長職相当)の人数拡大 | 2017年度 | 237人 | 256人 | ー | 420人以上(約3倍) |
障がい者法定雇用率(2023年6月現在2.3%)以上の雇用 | ー | 2.57% | 2.53% | 2.3%以上 | ー |
健康経営優良法人(ホワイト500)の継続認定 | ー | 健康経営優良法人2022認定取得 | 健康経営優良法人2023認定取得 | 継続認定 | ー |
明治グループの求める人財像
明治グループ理念体系で掲げた行動指針"meiji way"のもと、「卓越した専門性と組織力を活かすことで、創造・革新的な課題を自ら設定し、やり抜く人財」を従業員のあるべき姿として掲げています。

人財戦略の推進
人財戦略
人財は、明治グループの価値創造を支える、きわめて重要な資本です。従業員の多様性を尊重し、一人一人の能力を最大限に発揮させることが、明治グループの持続的な成長につながっていきます。内部公平性から外部競争性を重視する方向に人財戦略をシフトし、「meijiらしい健康価値」をグローバルに創造・展開できる人財づくりを戦略的に推進します。
明治グループの人財戦略
-
これまで
グループ内での公平性を重視した制度運用(内部公平性)。
社内に閉じた競争環境で「均質化」「同質化」が進み、イノベーション力が停滞。 -
これから
知識・技能・人財のオープン化により、競争の激化や外部環境の変化スピードの加速に
打ち勝つ人財を備える(外部競争性) -
目指す姿
多様な価値観・知見・能力を活かし合う職場環境を実現する
グループ人財委員会
経営会議の諮問機関として、代表取締役 CEOが委員長を務める「グループ人財委員会」を年に2回開催しています。2023年度は、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」「人財開発」「健康経営」「労働安全」を重要テーマとして討議します。グループ一体となって経営戦略に即した人財戦略を推進します。
ミッション
- 人的生産性と価値創造力の強化~「人材」から「人財」へ~
「資源=人材」ではなく、「資本=人財」と捉え、「質」の向上を重視した投資によって人的生産性と価値創造力を強化します。 - 持続的成長に欠かせない風土・仕組みづくり~「人財戦略」から「経営戦略」へ~
「明治グループ2026ビジョン」実現に向けた「明治グループ人財のあるべき姿」を検討し、個々のポテンシャルが最大限発揮される仕組みを整備します。特に経営戦略をリードする中核人財開発を重視した人財戦略を推進します。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進
消費市場や労働市場における人々の価値観は多様化しています。そうした環境下で成長を続けるためには、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をさらに推進することが不可欠です。女性、キャリア採用者、グローバル人財の登用により中核人財の多様性を促します。さらに、シニア人財も活躍できる多様なキャリアの選択肢を設け、競争力を強化します。
ダイバーシティ&インクルージョンポリシー
「明治グループ2026ビジョン」実現に向けてD&I推進を加速する考え方として、「明治グループダイバーシティ&インクルージョンポリシー」を制定しています。日本、世界のお客さまに「食と健康」で一歩先を行く価値をお届けするために、D&I を推進します。
-
多様な人財の活躍推進
多様な背景※を持つ人財が、一人一人の能力を最大限に発揮し、さまざまな職務で活躍できる環境をつくります。
※性別、性的指向・性自認、キャリア、年齢、国籍、障がい、雇用形態、育児・介護中など
-
多様な価値観の活かし合い
多様な価値観・知見・能力を活かし合い、イノベーションや新たな価値を創出し、企業成長につなげていきます。
持続的な企業競争力の向上を目指して、多様な人財の採用、育成、働く環境整備などを行います。そのために、D&I 推進体制を構築し、中核人財などの数値目標を設定します。
<2050年 明治グループが目指すD&Iが実現した姿>

D&Iの3つのアプローチ
明治グループは、3つのアプローチでD&Iを推進しています。「多様性を創る」「多様性を活かす」「多様性を伸ばす」という、3つの相互補完によってD&Iを促進し、風土醸成を図ります。

一人一人の個性発揮による企業力向上の取り組み
(株)明治では、D&I推進にあたり、Diversity&Inclusion Activities~Meiji's Open & New Directionsの頭文字をとり、DIAMONDの言葉に込めたプロジェクトを推進しています。全従業員の個性が輝き、小さなダイヤもまとまると大きな輝きを放つように、多様な人財の融合から大きなイノベーションを生むことで、社会課題を解決し、ウェルネスな社会の実現を目指して活動を進めています。
(株)明治 Diamond Story
イクボス宣言に加盟し、男性従業員の育児休業取得を推進
(株)明治では、D&I推進の一環として、部下や同僚のワークライフバランスの向上を目指し、個人のキャリアを応援する上司である"イクボス"促進に向け「イクボス企業同盟」に加盟しています。2022年は特定非営利活動法人ファザーリング・ジャパンの安藤代表にお越しいただき、役員を対象に「イクボスのススメ~男女ともに活躍できる企業となるために~」についてご講演いただきました。そしてこの講演はアーカイブ配信し、全従業員が見られるようにしました。今後も男性従業員の育児休業取得を始め、多様な人財が有する価値観やスキルを活かす職場環境づくりの実現を目指していきます。

女性の活躍推進
D&Iの第一歩としての女性活躍推進については、トップのコミットメントのもと、アンコンシャスバイアス研修や女性社員に対するキャリア研修などを通じ、女性社員の管理職への登用を積極的に行っています。また、性別を問わず、社員一人一人が能力を発揮できる組織や職場づくりに向けて、仕事と家庭の両立支援の仕組みを充実させるとともに、女性や育児期にある社員を部下に持つ管理職への研修を積極的に実施し、明治グループ一体での意識改革を推進しています。
女性管理職比率、女性リーダー数(ESGデータ集へ)グループ合同女性管理職ネットワーク交流会を開催
2023年3月、国際女性デーに合わせてグループ合同の女性管理職ネットワーク交流会を開催し、約50人の女性管理職が参加しました。女性役員や部長によるパネルディスカッションや座談会を行い、上級管理職への視座醸成・管理職パイプラインの構築につながる取り組みとなりました。

グループ共通の育児期社員研修を実施
グループ共通の取り組みとして、育児期にある社員を対象とした研修を実施しています。2022年度には約170人の育児期社員が参加しました。Meiji Seika ファルマ(株)、KMバイオロジクス(株)では、育児期社員とその上司に対して研修を実施しました。育児期社員は「周囲を巻き込む伝え方」、上司は「個別マネジメントと活躍支援の重要性」を学んだ上で、育児期社員と上司合同の他者理解ワークを実施しました。

女性従業員ネットワーク構築の場「かがやき塾」を開催
(株)明治では女性従業員のネットワーク構築を通じ、女性一人一人が前向きに自分らしくいきいきと働くことや、女性の力を活かしイノベーション創出につながる「かがやき塾」を開催しています。月1回の塾ではキャリア共有をはじめ、女性特有の悩み(生理・更年期等)に関する研修や会社の課題解決に向けてのディスカッションの実施、新商品のモニターなどを行っています。

キャリア採用に関する取り組み
明治グループでは、新卒採用に加え、幅広い知見を取り入れるべく、他社でキャリアを積んだ人財の採用にも積極的に取り組んでいます。
また、一度退職した従業員が当社への再就職を可能とする「カムバック制度」を導入しています。明治グループで得たノウハウや知見を有し、退職後に多様な経験や知識を培った退職者の再就職を行うことで、社内のさらなる活性化や、新たな価値創出を目指していきます。
チャレンジド(障がい者)の雇用促進
明治グループでは、現在全国40カ所以上の職場(拠点)で障がいのある方が活躍しています。法定の雇用率を達成するだけでなくスロープやバリアフリーのトイレを設置したりするなど働きやすさにも配慮しています。
障がい者雇用率(ESGデータ集へ)誰もが働きやすい環境づくり
明治グループでは、障がいのある従業員の発案により、障がいがあることを知らせるカードを、胸元に掲示して働く動きが広がっています。このカードは利用したい人が障がいに合わせて活用でき、より良いコミュニケーションの形成につながっています。このほか、(株)明治では「障害者職業生活相談員」の積極的な資格取得の推進や、従業員向けに障がいに関する基礎知識の研修を行っています。障がいへの理解を深めることで、誰もが働きやすい環境づくりに努めています。


高齢者の雇用促進
現在定めている60歳の定年後も雇用を継続する定年再雇用制度を整えています。職場では、長年培った能力で職務を遂行するとともに、後進を指導する役割を担い、若手従業員の良き手本となっています。
このほか、(株)明治では、シニアがいきいきと活躍できるよう、個人が自律的にキャリア形成に取り組み、能力開発を支援するために、キャリア開発支援施策(50代キャリアデザイン研修、50代キャリアデザイン面談、リスキリング)を開始しました。
世界で働く仲間
明治グループでは海外事業のさらなる拡大を目指す中で、現地の文化やニーズに適した事業展開を実現するために、海外グループ会社にて現地の優秀な人財を積極的に採用しています。現地採用の従業員にいきいきと働いてもらうため、また、グループ会社間の連携強化を図るため、社内報(日本語・英語・中国語)の発行や国内・海外の人財交流、勉強会などを行っています。
海外従業員数(主要国)(ESGデータ集へ)LGBTQ+に関する取り組み
明治グループではダイバーシティの推進の一環として、2018年度からLGBTQ+に関する取り組みを始めました。
具体的な取り組み
- 各社人権研修でのLGBTQ+に関する理解促進
- 障がい者用トイレや多目的用トイレ表示を性別に関係なく使用できる表示への切り替え
- LGBTQ+相談窓口の設置
- 採用担当者へのLGBTQ+の理解を促進する事前セミナーの実施
- 同性パートナーへの福利厚生の適用
- 従業員のAlly(アライ)ネットワークによる風土醸成施策
- 多様性に寄り添う商品開発やマーケティング
このような取り組みが評価され、職場におけるLGBTQ+への取り組みの評価指標「PRIDE指標2023」において、(株)明治、Meiji Seika ファルマ(株)、KMバイオロジクス(株)が最高評価の「ゴールド」を受賞しました。また(株)明治は、国・自治体・学術機関・NPO/NGOなどとのセクターを超えた協働を推進する企業を評価する「レインボー認定」を獲得しています。
人財開発の強化
明治グループの持続的な成長に向け、戦略を遂行する高い能力を有する人財への投資を強化しています。一人一人の持つ知識・スキル・能力を強化し、その力を職務で最大限発揮できるよう取り組んでいます。
明治グループ能力開発方針
明治グループが求める資質や能力を持つ人財を育成するべく、従業員の能力開発を行う基本方針を定めています。
明治グループ能力開発方針
明治グループ2026ビジョンの「目指す企業グループ像」を実現するために
- 創造性・専門性を発揮し、世界のトップ企業に勝てる、チャレンジ精神あふれる人財を育成する。
- 個人の成長を会社の発展につなげ、組織力の底上げに貢献できる自律型人財を育成する。
- グループ理念を深く理解し、高いレベルでmeiji wayを実践し続ける人財を育成する。
グループ経営人財の発掘・育成
明治グループの経営は、チーム力を発揮して持続的な成長をリードするため、「変革・戦略人財」「マネジメント」「スペシャリスト」の3つの特徴のいずれかを強みとするメンバーで構成することを目指しています。これからのグループ経営強化に向けては、経営人財の3つの特徴のうち、特に「変革・戦略人財」のパイプライン拡充が不可欠です。自ら率先して一歩先を行く戦略を描き、その実行をリードすることで、将来の外部競争環境を勝ち抜くことができます。2021年度から、執行役員とその候補から選抜したメンバーを対象とした「グループ経営人財育成プログラム」を始動し、グループ経営人財候補者の発掘・育成を行っています。
一人一人の強みや個性を活かしながら、サクセッションマネジメントの根幹である「求める経営人財像(リーダーシップバリュー)」を見据えた成長を促す施策により、グループ経営人財の育成を行っていきます。


グループ経営人財育成プログラム「meiji塾」「経営ミーティング」を実施
執行役員ならびにその候補者を対象に、CEOを座長に据えた人財開発プログラムを行っています。「自身の能力・スキル・コンピテンシーの再認識による自己開発計画の促進」と「自身が実行する“経営変革テーマ”のCEO答申」をプログラムの柱として、グループ経営者としての視座・視野・視点を養成し、変革人財への意識変容を行う過程の中で、グループ経営人財候補の発掘を行っています。
能力開発体系
「明治グループ能力開発方針」に基づき、従業員一人一人の成長とキャリア開発を図る能力開発体系を整えています。

ステージごとのビジネススキルアップを目指した階層別研修
明治グループの従業員として必要とされる基本的な知識・態度・心構えを習得する新入社員研修に始まり、論理的思考、貫徹力、チームを統率するスキル、ビジネスリーダーとしての資質と能力を高める研修を体系的に行っています。管理職に対しては、それぞれのステージごとに研修を実施し、自分のマネジメントスタイルを見直し、部下を育成する力を強化しています。上位管理職には組織の活力を引き出すマネジメント能力の向上、および経営リーダーを目指す自己革新意識の醸成を図る研修を実施しています。
グローバル人財育成に向けた研修の強化
世界をフィールドに成果を出せるグローバル人財育成を目的にさまざまな研修プログラムを実施しています。
- 自己啓発としての語学を習得する講座の設置
- 英語圏、中国語圏での異文化理解と語学の効果的・効率的勉強法を学習する語学研修
- 選抜した人財をビジネス語学校へ派遣し、実践的な語学を習得させる研修
- 海外に派遣し、現地におけるビジネス習慣等を厳しい環境下で実際に体験し、やり抜く力、多様性の理解、精神的なタフネスさを習得する研修
次世代リーダーの育成
内から外へ、広い視野と高い視座をもった人財の育成を目的に、異業種交流やビジネススクールといった外部研修へ派遣しています。次世代リーダーに必要な経営感覚やマネジメント・リーダーシップ力を学ぶことから、次世代経営層に求められる戦略的思考、判断力、決断力、発信力の習得まで幅広い研修を実施しています。
自らの能力開発を支援する自己啓発型研修
チャレンジ精神あふれる従業員には応募型の自己啓発の機会を提供しており、従業員自らが能力開発をする支援体制も整っています。従業員自身が描くキャリア・ありたい姿への成長を後押しすべく、(株)明治では2023年度よりこれまで以上に従業員の意思での学びの機会を得られる研修体系を導入しています。「会社から学ばされる」研修から「自ら学ぶ」研修へと向けて、従業員の「学びの自律」を促進し、自律型人財の育成を加速させています。
教育訓練費用・時間(ESGデータ集へ)プログラムの目的 | 対象 | 受講人数(人) | 平均受講時間(時間) | 平均受講費用(千円) | |
---|---|---|---|---|---|
階層別研修 |
それぞれのステージごとに必要なスキルの習得
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管理職 | 806 | 10.1 | 23.9 |
一般社員 | 1,259 | 25.3 | 49.1 | ||
グローバル研修 ダイバーシティマネジメント |
|
管理職 | 704 | 6.6 | 21.5 |
一般社員 | 705 | 2.7 | 25.5 | ||
次世代リーダー育成 |
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管理職 | 43 | 39.4 | 691.6 |
一般社員 | 38 | 40.5 | 244.3 | ||
部門別・グループ会社研修 自己啓発など |
|
全階層 | 23,501 | 11.8 | 6.3 |
自らのキャリアプランを考える自己申告制度の活用
キャリアプランなどを上司と話し合う自己申告制度を運用しています。従業員は自らの働き方やキャリア形成などを考える機会を得る一方、会社は本人の考えや状況を理解した上で、活躍の場の検討や育成に活用しています。
従業員の成長につなげる評価制度
従業員一人一人が高い成果を上げるためには、専門能力を高め、業務経験を充実させるとともに、実際にチャレンジングな業務目標を設定し、その目標に向かってチャレンジすることが前提となります。明治グループでは、上記の考えに基づき、正社員においては目標管理制度(MBO)を導入し、採用コースに応じて半期または年間の目標を立て、その達成度に応じた評価を報酬に反映させています。
また、一部事業会社の管理職を対象に年に1回360度評価を実施しており、多面的なフィードバックを通じて管理職の育成に役立てています。
働きやすい職場づくり
健康経営の推進
従業員の心身の健康を経営的な視点から捉え、その維持増進に戦略的に投資することで、生産性の向上を図っています。グループスローガン「健康にアイデアを」を体現する企業として、従業員が健やかで活力ある状態を保つことが重要との考えのもと、その実現に向けて、「明治グループ健康経営戦略マップ」を策定・開示しています。現在の明治グループ従業員の健康課題として、肥満をもたらす生活習慣の改善(食事・運動・喫煙)を選定し、KPIを設定して施策を進めています。

明治グループ健康経営宣言
健康経営を推進していくための取り組み方針を、「明治グループ健康経営宣言」として表明しています。
健康課題と重点目標
健康経営投資から施策の効果までのつながりを明らかにした「健康経営戦略マップ」を策定・運用しています。
従業員が心身ともに健康で活力があり、快適に働ける会社の実現という経営課題に向けた、解決すべき健康課題として『生活習慣病予防に向けた肥満者の減少』を掲げ、「食事」「運動」「喫煙」の生活習慣を改善することによって実現を目指していきます。なお、「健康経営戦略マップ」を活用した社内コミュニケーションにより、従業員ならびにその家族に向けた健康経営推進活動への理解促進、意識改革を推進していきます。
健康課題に向けたアプローチ | 重点目標 |
---|---|
生活習慣病予備軍(高リスク者)への取り組み強化 | 定期健康診断受診率100% 2次健康診断対象者のカバー率※1 100% |
食生活改善 | 健全な食生活者比率の向上
(朝食欠食、就寝前食事摂取者の低減) |
運動習慣とスポーツ奨励 | ウォーキングキャンペーンの参加率※2を2023年度までに70%にする |
受動喫煙防止および禁煙奨励 | 就業時間内禁煙の徹底
従業員に禁煙を促し、希望する従業員をサポートする |
- ※1カバー率:医療機関受診、産業医・保健師面談、人事面談により本人の状況を把握すること
- ※2ウォーキングキャンペーン参加者/全従業員
受動喫煙防止および禁煙の取り組み
従業員の健康増進と安心して働ける職場環境づくりを目的に、各事業所にて受動喫煙防止および禁煙に向けた取り組みを行っています。具体的には、職場の完全分煙、従業員に禁煙を促し希望する従業員のサポート、就業時間内の喫煙禁止などを行い、従業員の健康維持・増進につなげています。また、社長自らの禁煙エピソードを盛り込んだ、卒煙を呼び掛けるトップメッセージをポスターにして各事業所に掲示し、全従業員に向けて禁煙への意識醸成を図っています。
・役員喫煙率0宣言
明治グループでは、将来的に社内従業員の喫煙率を限りなくゼロに近づけていきたいと考えています。その第一歩の施策として、現在喫煙している役員につき、「2023年度中の卒煙」を宣言しました。
朝食改革セミナーを全国事業所で実施
明治グループ従業員の生活習慣課題である朝食欠食の改善に向けて、(株)明治 広報部の食育チームとの共催で朝食改革セミナーを全国事業所にて実施しました。からだをつくるたんぱく質を意識した朝食摂取の重要性を学ぶと共に、自社製品「TANPACT」を配付し、朝食を習慣化する動機づけを促進しました。

メンタルヘルスに関する取り組み
明治グループでは、従業員のメンタルヘルスに向けた取り組みとして、各事業会社にてストレスチェックを年1回実施し、希望者を対象に産業医と面談ができる体制を整えています。また、ストレスチェックの実施とあわせて、本人の気付きを目的としたセルフケア研修、部下を持つ管理職を対象としたラインケア研修など、メンタルヘルスに関する取り組みを実施しています。
「健康経営銘柄」に初認定、7年連続で「健康経営優良法人」にも認定
明治ホールディングス(株)は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に2023年に初めて選ばれました。また、「健康経営優良法人」に7年※連続で認定されました。
※明治ホールディングス(株)、(株)明治、Meiji Seika ファルマ(株)は7年連続で認定、KMバイオロジクス(株)は3年連続で認定


健康経営度調査フィードバックシート
感染症対策
グローバルで働く従業員の健康・安全を守るため、海外駐在員や海外出張者に対しては、各国におけるマラリア、結核、HIVなどの感染症の発生状況や流行状況に関する最新情報を渡すとともに、必要となる予防接種や現地医療機関の情報提供など、事前ガイダンスやサポートを行っています。また、国内で働く全ての従業員を対象に、季節性インフルエンザ対策としてワクチンの社内集団接種の実施等、職場における感染対策・感染予防にも万全な体制で取り組んでいます。
働き方改革の促進
従業員が健康でいきいきと働ける環境づくりは、企業の責任であると考えています。その実現に向けて、ワークライフバランスに配慮した働きやすい職場環境の整備に努めています。
柔軟な働き方の促進
従業員それぞれのライフイベントにおいて、その能力を最大限発揮できる環境を整えています。
- 在宅勤務制度の導入
- フレックスタイム制度の導入
- 男性従業員の育児休業取得支援
- ライフイベントを迎えた従業員の就業継続支援制度の運用徹底
- 育児・介護に関する各種制度
育児・介護 | 産前休職 | 妊娠~産前46日 |
---|---|---|
産前産後休暇 | 産前45日、産後56日 | |
育児休業 | 子どもが満3歳まで取得可能 | |
育児短時間勤務 | 労働時間の短縮・繰り上げ・繰り下げ・所定外・深夜業の免除、フレックスタイム制度適用 | |
介護休暇 | 対象家族1人につき年間5日取得可能 | |
介護休業 | 対象家族1人につき通算365日取得可能 | |
介護 勤務時間の短縮などの措置 | 労働時間の短縮・繰り上げ・繰り下げ・所定外・深夜業の免除、フレックスタイム制度適用 | |
手当など | 出産・育児支援 | 本人・配偶者の出産時(出産祝金・育児用品) |
次世代育成手当 | 扶養する子どもを対象とした月額手当 | |
共済会制度 | 出産祝金・ベビーシッター利用額の50%(30日以内)・入学祝金・遺児育英年金 ほか |
年次有給休暇の取得促進
従業員ならびに職場に向けた啓発活動を通じ、年次有給休暇を取得しやすい風土を醸成し、年次有給休暇の取得促進を図っています。
- 連続した年次有給休暇(5日間)の取得奨励
- 年休取得にあたっての社長メッセージ発信による啓発
- 期初での取得日設定と職場内での共有
各種労働法規遵守に向けた取り組み
明治グループは従業員が安心して働けるよう、各国における各種労働法規を遵守しています。
長時間労働の削減
従業員の労働時間については、国内ならびに海外における現地法令を遵守し、業務の効率化や労働時間管理の徹底により、長時間労働の削減に向けて取り組んでいくことを基本方針としています。
長時間労働削減に向けた主な取り組み
- 適正な労働時間の申告・管理の徹底
- ノー残業デー(週1回)実施の徹底
- 会議効率化の推進
- 職場単位での業務の見直しと効率化
賃金について
明治グループは「明治グループ人権ポリシー」に基づき、各国の法令で定める最低賃金を遵守しています。 また、同一資格・同一職務レベルにおいて男女間で統一された報酬体系を適用しています。
労働安全衛生の強化
「明治グループ労働安全衛生ポリシー」に基づき、「安全は全てに優先する」の認識のもと、職場の安全確保に継続的に取り組むとともに、従業員の健康維持・増進に努めています。また、このポリシーを基に明治グループの従業員だけでなく、敷地内で一緒に働く協力会社の方々と協働して安全や防災に関する各種施策に取り組んでいます。
マネジメント体制
明治グループでは、従業員の健康と安全を重要なテーマの一つとして位置付け、CEOを委員長とするグループ人財委員会において、グループ全体の労働安全衛生を監督する体制を構築しています。半期に一度、安全衛生目標の進捗確認や各事業会社の労働災害への対策、災害件数などを共有・議論し、その内容は経営会議および取締役会にも適時報告しています。
2023年度については、各事業会社にて労働災害発生ゼロを目標に掲げ、労働者を代表する立場である労働組合も参画する中央安全衛生委員会が中心となって、目標達成に向けた重点取り組み事項を設定した上で、PDCAサイクルを回しています。
労働災害ゼロに向けた取り組みと労働災害発生状況の推移
労働災害ゼロに向けて、設備面、作業面のリスク低減を、協力会社と連携して取り組んでいます。具体的には、新設設備の稼働前リスクアセスメントならびに既存設備の安全監査・点検を実施し、設備安全対策とルールの周知・遵守により各事業所の労働災害や法令違反の未然防止に努めています。さらに労働災害が発生した場合は、原因究明を行った上で、設備の安全点検や対策を行い、再発防止に取り組んでいます。
事業会社 | 主な災害 | 対策 |
---|---|---|
(株)明治 | 挟まれ、巻き込まれ |
|
Meiji Seika ファルマ(株) | 転倒 |
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KMバイオロジクス(株) | 動作の反動、無理な動作 |
|
ISO45001認証取得状況
(2023年10月12日現在)
-
食品セグメント
日本 23工場、1研究所、8グループ会社
海外 1グループ会社 -
医薬品セグメント
日本 1工場
海外 2グループ会社
各事業・事業所ごとの従業員に向けた労働安全衛生教育の充実
明治グループでは各事業・事業所に合わせた安全衛生教育を実施しています。
教育名称 | プログラムの内容 | 対象者 | 受講者数 |
---|---|---|---|
事故の歴史から学ぶ研修 | 過去の重大災害の発生状況を通じ、風化防止、再発防止や安全意識の醸成、危険に対する感受性の向上を図るための研修 | 全従業員 | 640 |
「リフター下部作業」 教育者訓練 | 認定作業者制度を導入しているリフター下部作業について、認定作業者への指導にあたる「教育者」に対し、必要な知識や技能を習得させる訓練 | 設備環境管理者 | 36 |
ISO45001内部監査員養成研修 | OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)に基づく内部監査員に必要な知識・意識の習得と実践について教育する研修。 | OSHMS内部監査員 | 47 |
危険体感研修 | 従業員の危険感受性向上を目的とした参加型の体感研修 | 作業員 | 53 |
転倒等リスク評価セルフチェック | エイジフレンドリー対策の一環とした転倒防止対策。アンケートによる事前自己評価をした上で体力測定を実施し、乖離を把握することを目的としている。 | 50歳以上 従業員 |
100 |
労働安全衛生法規 安全リスクアセスメント研修 |
中央労働災害防止協会・外部コンサルタントを講師として、リモートによる労働安全衛生法規の要点やハザード抽出・リスク評価・再発防止策に至るリスクアセスメント研修 | 工場・研究所 本社従業員 |
59 |
転倒防止研修 | 転倒の発生原因、重症化しやすい労働者の属性等を過去の事例や医学的根拠から学ぶ。下肢の機能低下による転倒防止対策として、ロコチェックやスロースクワットを体験し、受講後も継続してもらうための研修 | 作業員 | 100 |
低圧電気取扱業務特別教育 | 配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路のうち充電部分が露出している開閉器(スイッチ)の操作の業務に従事する者を対象とした研修 | 作業員 | 71 |
従業員の安全に向けたその他取り組み
明治グループでは、各事業所において消防計画に基づき定期的に防災訓練を実施し、地震・火災などの災害発生に備えています。また、防災訓練の前後において安全講習会を実施し、安全意識の向上を図っています。
従業員エンゲージメントの向上
労働人口減少や多様な働き方の広がりなどにより労働市場の価値観も大きく変化する中、これからの会社と従業員は自律的に「選び、選ばれる関係」であることが望ましいと考えます。そうした状況下で明治グループが持続的な成長を果たすためには、従業員が会社の目指す姿を理解・共感し、やりがいを感じながら意欲的に仕事に打ち込める状態を創ることが欠かせません。
「2023中期経営計画」では、従業員エンゲージメントを重要な経営課題の一つに据え、役員報酬とも連動する目標値としてエンゲージメントスコア※を掲げました。
経営層からのビジョンの発信強化や、職場での対話機会の創出などにより、会社と従業員が一体となって明治グループの成長に向かう風土づくりを推進していきます。
また、従業員のエンゲージメント状態を把握し、早期に改善活動につなげていくために、毎年1回エンゲージメントサーベイを実施しています。
※従業員の会社への共感指数として、会社・仕事・上司・職場に関する質問について期待度と満足度から算出
エンゲージメントスコアの結果

エンゲージメント向上の取り組み

「meijiブランドプロジェクト」
グループスローガン「健康にアイデアを」の社内浸透・体現を図るべく、meijiらしい健康価値創出に向けた社員の意識・行動変容を促すプロジェクトを実施しています。
経営トップ層と若手従業員が「meijiらしい健康価値」や「明治グループのビジョン」等について直接議論を交わす『経営トップと語ろう!』や、職場での対話を通じて「健康アイデアを」の体現や事業活動を通した社会課題の解決を考え、実行する『職場ミーティング』の定期開催などを通じ、会社の目指す姿への理解・共感を図るとともに、階層間・社員同士のコミュニケーション活性化を行っています。
また、明治グループの国内外の従業員から「mejiらしい健康価値」を体現する個人や職場のアイデアを募集して表彰する「meiji Brand Award」を2021年度より実施しています。2022年度は600を超える応募の中から、実践アイデア部門の金賞として「在日外国人ママに笑顔をSHARE!」、職場アクション部門の金賞として「明治品による子ども実験企画」が選ばれました。


従業員主体の行動変容を促す「企業理念・行動指針 事例発表会」の開催
KMバイオロジクス(株)では、企業理念・行動指針を体現した活動を従業員主導で全社に紹介し、成果を共有する「企業理念・行動指針 事例発表会」を毎年開催しています。2022年度の取り組みに対する事例発表会では、各部署から100を超える活動が寄せられました。そのうち、医療従事者の方々に当社製品を知っていただき、愛着を持っていただくことを目的としたリモート工場見学の実施と、営業部門と製造部門とのコミュニケーション活発化・相互理解向上を目的とした社内交流会を実施した取り組みが最優秀賞に選ばれました。この事例発表会は、従業員のモチベーションはもとより企業競争力の向上にもつながっています。

労使関係
(株)明治は「明治労働組合」、Meiji Seika ファルマ(株)は「Meiji Seika ファルマ労働組合」が組織されており、両労働組合をつなぐ組織として「明治グループ労働組合連合会」があります。KMバイオロジクス(株)では、「KMバイオロジクス労働組合」が組織されています。明治グループでは会社経営を行う上で健全な労使関係が重要であるとの認識の下、各社における定期的な労使協議や賃金引上げおよび賞与に関する協議、安全衛生活動など、さまざまな課題解決、適切な事業運営に向けた取り組みを行っています。それぞれの労働組合においてユニオンショップ制度を採用し、管理職を除く対象となる正社員は100%労働組合に加入しています。