事業等のリスク
当社グループでは、企業活動に重大な影響を及ぼす緊急事態発生時の対応だけでなく、さまざまな経営リスクを未然に防ぎ、軽減・回避措置を講じることが重要であるとの考えに基づき、リスクマネジメントを推進しています。
- (1) リスクマネジメント体制
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当社グループでは、「明治グループ2026ビジョン」実現に向けて新たな成長を推進するために、グループ全体の経営リスクを把握しリスク低減に取り組むと同時に、適切なリスクテイクに資するリスクマネジメント体制を構築しております。
当社は、グループ全体の経営リスクのマネジメント機能を強化するため、2021年4月にリスクマネジメント全般を担う部門としてリスクマネジメント部を設置し、経営リスクをグループビジョンと一体化して当社の経営会議および取締役会で評価・確認することで、より経営環境の変化に即したリスクマネジメントを実行できる体制としています。
また、食品事業、医薬品事業それぞれの業態に適したリスクマネジメント体制の構築を推進しており、定期的に情報の共有、課題抽出および解決を行っています。各事業に共通するリスクやグループ全体に影響を及ぼすリスクは、全社で速やかに情報を共有する体制を備え、早期の感知・対応に努めています。
<リスクマネジメント体制>

- (2)当社グループにおける経営リスク
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全社横断的な経営視点で適切にリスクを把握し、影響度を考慮した対応策を策定することは、リスクの軽減はもちろん、明治グループの持続的成長および新たな成長機会の獲得にもつながります。そこで「明治グループ2026ビジョン」で掲げる3つのビジョン「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」に沿って、「明治グループにおける経営リスク」を特定しました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
下表の将来に関するリスクは、当社の中長期的な経営戦略に基づき、分類したものです。グループにおける重要度は、リスクが顕在化する可能性や顕在化した場合のグループへの影響度などを考慮し、当社グループが判断したものです(より重要度が高いと判断したものを◎の記載としています)。
また、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、全ての事業等のリスクを網羅したものではありません。
リスク | 対応策 | リスク認識の前年からの変化 | グループにおける重要度 | |
---|---|---|---|---|
1 事業に関するリスク | ||||
1.1 製品・サービスの販売・提供 |
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↑ | ○ |
1.2 特定製品への利益偏重 |
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→ | ◎ |
1.3 サプライチェーン |
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↗ | ○ |
1.4 技術進歩 |
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↗ | ○ |
1.5 法・制度 |
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→ | ○ |
1.6 海外展開、海外グループ会社 |
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|
→ | ◎ |
1.7 事業計画 |
|
|
→ | ○ |
2 サステナビリティに関するリスク | ||||
2.1 環境との調和 |
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|
↗ | ○ |
2.2 気候変動 |
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|
↗ | ○ |
2.3 豊かな社会づくり |
|
|
↗ | ○ |
3 経営基盤に関するリスク | ||||
3.1 ガバナンス |
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↗ | ○ |
3.2 明治ブランドの毀損 |
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↑ | ◎ |
3.3 人材・風土 |
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|
→ | ◎ |
3.4 情報資産の漏洩 |
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↗ | ○ |
3.5 災害や不測の事態 |
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|
→ | ○ |
Meiji Seika ファルマ(株)が販売するイトラコナゾール錠への小林化工(株)(製造販売業者)による睡眠導入剤の混入事件を受け、Meiji Seika ファルマ(株)は、小林化工(株)が製造する製品の出荷停止および自主回収を実施しました。これを受け、当社グループは、製造委託先および共同開発先に対する信頼性保証体制の確認・強化に取り組んでまいります。
当社グループでは、生活に必要な食品や医薬品を製造するメーカーとしての供給責任を果たすべく、国内外の全ての工場において、衛生管理を徹底し安全な労働環境の整備を行ったうえで、生産活動を続けております。また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大したことによる、予防・健康志向の更なる高まり、Eコマースの更なる拡大、働き方の変化、医療機関受診スタイルの変化などの環境変化に対し、引き続き安定的な製品供給に努めるとともに、新型コロナウイルスワクチンの開発・供給や“ウィズコロナ”という新しい社会に適合した商品提案など必要な対策を速やかに実施することにより「食と健康」に関わるグループとしての責務を果たしてまいります。