役員報酬

報酬制度の目的

当社の役員報酬制度は、長期ビジョン実現に向けたグループ一体での事業運営、コーポレート・ガバナンスの拡充・強化の観点を踏まえ、以下のとおり目的を定めています。

役員報酬制度の目的(2011年制定「明治ホールディングス株式会社 役員報酬の決定方針」より)

  1. 社内外の優秀人材を採用し、動機付け、引き留められる報酬水準を担保する
  2. 短期および中長期の経営目標に対する動機付けとなる
  3. 生み出した成果に対して適切に報いることができる
  4. 結果責任を株主と共有することによる使命感の充足を可能とする
  5. 株主をはじめとするステークホルダーに対する説明責任を果たしうる公正性および合理性が担保されている

取締役報酬の方針

構成

  • 社内取締役の報酬は、以下の3つの報酬で構成されています。
    1. 役位・職責に応じた固定報酬である基本報酬
    2. 前連結会計年度の会社業績および個人業績に応じた短期インセンティブとしての業績連動報酬
    3. 明治ROESG®※の実績及び当社の株価動向に連動する中長期的インセンティブとしての株式報酬
      基本報酬および業績連動報酬は金銭により、株式報酬は譲渡制限を付した株式の割り当てにより、それぞれ支給しています。
  • 社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、固定報酬(基本報酬)のみとしています。

「ROESG」は一橋大学教授・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。

水準

取締役の報酬水準は、社内外の優秀人材を採用し、動機付け、引き留められる報酬水準を担保できるよう、以下を参照し決定しています。

  • 外部調査会社データに基づく日系大手企業の水準
  • 当社と規模や業種・業態の類似する大手製造業の水準

決定方法

取締役の報酬制度内容、会社および個人の業績評価結果、算定した報酬の額は、過半数を独立社外取締役で構成する報酬委員会に諮った上で、取締役会でこれを決定しています。

取締役報酬の支給額計算方法

構成比率

業績向上のインセンティブを高めるとともに、株主を始めとするステークホルダーとの利害共有を進めるため、中長期目標達成時の報酬額における固定報酬、固定報酬(基本報酬)と変動報酬(業績連動報酬及び株式報酬)の構成割合を43~51: 57~49の構成比率で設計しています。なお、変動報酬の割合は上位役位ほど高めています。
また、変動報酬における業績連動報酬と株式報酬の構成割合は60:40としています。

取締役報酬の支給額計算全体図

基本報酬

取締役に対して、固定報酬である基本報酬を支給します。基本報酬額は、外部調査会社データに基づく日系大手企業、当社と規模や業種・業態の類似する大手製造業の役員の基本報酬水準を参考に、役位・職責に応じて決定しています。

変動報酬

業績連動報酬

目的

「明治グループ2026ビジョン」および中期経営計画の重要指標にコミットさせ、業績向上を動機づけるために設定しています。

構成

  • 代表取締役社長CEO/取締役COOは、短期業績連動報酬と中長期業績連動報酬で構成される会社業績のみで評価されます。
  • 代表取締役社長CEO/取締役COOを除く役位は、会社業績に加え、個人業績も評価項目に加えることとしています。

支給額計算方法

  • 短期業績連動報酬
    社外取締役を除く取締役に対して、短期業績連動報酬として、連結営業利益とROICの単年度予算達成率に連動する報酬を支給します。
    単年度目標達成率に応じて、基準額に対して下図に示す係数を乗じることで支給額を計算します。尚、ROIC評価は、目標達成率に関わらず、実績が資本コスト未満の場合には、係数を半減します。

連結営業利益/ROICの係数

  • 中長期業績連動報酬
    社外取締役を除く取締役に対して、連結営業利益を指標とし、単年度予算とは別に設定する中長期目標評価達成率に連動する報酬を支給します。
    中長期目標達成で100%とします。中長期目標業績の達成度に応じて、基準額に対して係数を乗じることで支給額を計算します。係数は0~100%で変動します。
    中長期目標を上回る業績達成時には、係数がさらに高まるような設計とします。
  • 個人業績指標に基づく報酬
    個人業績を代表取締役社長CEOが総合的に勘案し、7段階の評価に応じ、基準額に対して係数0~200%を乗じることで支給額を計算します。
    なお、代表取締役社長CEO/取締役COOについては、個人業績の設定はありません。

株式報酬

目的

当社グループの企業価値向上のためのインセンティブ付与および取締役と株主を始めとするステークホルダーとの利害共有を進めることを目的としています。

概要

当社の株価動向に連動する中⻑期インセンティブとして、交付後3年間は譲渡等の処分ができない譲渡制限付株式を付与します(株主総会後、年1回支給)。譲渡制限付株式を付与するために当社から支給される金銭報酬債権の金額が、前事業年度の明治ROESGの実績により毎年変動する設計です。

支給額計算方法

ROEの実績およびESG指標の取組結果に基づき算出される、明治ROESGを業績指標とし、基準額に、以下のとおり算出される係数を乗じることで支給額を計算します。

  • ROEにESG指標(外部評価)を掛け合わせて明治ROESGを算出し、13pt達成時に係数は100%とします。なお、2023中期経営計画の最終年度である2023年度のみ、ESG目標(明治らしさ)の各項目達成ごとに明治ROESGに1ptを加点します。
  • 明治ROESG実績の9ptを下限、17ptを上限とし、明治ROESGの実績に応じ、係数が50~150%の間で変動します。
  • 明治ROESG実績が2年続けて5pt未満の場合、株式報酬は支給しません。
ESG指標(外部評価)
  評価指標 2023年度目標 設定理由
MSCI ESG Ratings 米国の金融サービス企業MSCIによる、企業の公開情報をもとに算出したESG格付け A 総合評価
DJSI 米国のS&P Dow Jones社とスイスの投資顧問会社のRobecoSAM社が開発したESG投資指標 65点※1
FTSE4Good 英国ロンドン証券取引所グループの子会社FTSE Internationalが発表しているESG投資インデックス 3.8点※2
CDP (Climate Change) 英国に本部を置く国際的な非営利団体CDPによる、世界主要企業の環境活動に関する情報開示プログラム A 環境
CDP (Water Security) A
  • ※1DJSIのパーセンタイルから点数管理への変更について
    パーセンタイルは、他の評価対象企業の点数の影響を受けて、当社の数値も変動してしまうため、目標管理方法を点数に変更することとしました。
  • ※2FTSE4Goodの23年度目標の上方修正について
    22年度実績にて、23年度目標の3.5点を達成したことに伴い、目標値を3.8点に引き上げました。
ESG指標(明治らしさ)
項目 2023年度目標 設定理由
健康寿命延伸 +1年※1 社会全体評価
たんぱく質摂取量 75g/日
インフルエンザワクチン接種率※2 60%
社員エンゲージメントスコア 偏差値A 明治グループ独自評価
健康志向食品、付加価値型栄養食品、超高齢化社会に貢献する商品の売上伸長率 +10%以上
新型コロナウイルスワクチン・治療薬の開発成功と供給 開発と供給
  • ※12016年比(男性72.14歳/女性74.79歳)
  • ※265歳以上の定期接種対象者ベース

監査役報酬の方針と決定方法

  • 株主総会にて決議された総額の範囲内において、監査役の協議により決定します。
  • 監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から固定報酬である基本報酬のみとしています。

役員報酬の内容・総額

役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数、報酬総額1億円以上の取締役の個別の報酬内容については、コーポレート・ガバナンス報告書(P10【取締役報酬関係】)にて開示しています。

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